日本で古くから受け継がれてきた伝統技法「金継ぎ」。

欠けたり割れたりした器を漆で接着し、修復跡を金粉や色漆で装飾する技術のことで、パンデミック中には「勇気づけられる」「癒やされる」と世界中から注目されました。

このたびご紹介するのは、「金継ぎ」をヒントにして生まれた全く新しいアップサイクルです。伝統×テクノロジーが融合したその全貌とは……!?

【壊れたものがハイスぺに!】

テクノロジーとアイデアで社会課題の解決をするDentsu Lab Tokyoが手がける「UP-CYCLING POSSIBILITY」

捨てられたものや壊れたものに、伝統×最新テクノロジー×クリエイティビティを加えることで、新たな機能と価値を付与するための新プロジェクトです。

たとえば、割れた茶器やグラスには、独自開発したデザインヒートシンクなるものをプラス。くちあたりの温度変化を楽しめる器へとアップサイクルします。

欠けたお皿にはステンレスプレートをプラス。それを冷却装置を搭載したランチョンプレートと組み合わせることで温度差が出るそう。なので、「お刺身と天ぷら」「サラダとミートパイ」など、温かいものと冷たいものを同時に盛りつけることができるようになるかもしれません。

【実物が見られる展覧会も開催】

壊れたものを元の状態に戻すのではなく、全く新しいアイテムへ生まれ変わらせるーーー。これぞまさしくアップサイクルです!

この春、横浜みなとみらいで開催される展覧会「アップサイクルの可能性展 UP-CYCLING POSSIBILITY」には、本プロジェクトから生まれたアイテムが集結します。

先ほどご紹介した器やお皿はもちろん、割れたティーカップに振動するパーツを継いだ「くちあたりの感触が変化する器」や、壊れた傘の骨をLEDライトに継ぎ替えした「光る傘」も展示。

いずれも目からウロコなアイディアで「金継ぎ」の新たな可能性を感じます。

【展覧会のスケジュールはこちら】

独自の視点でアップサイクルを試みた展覧会「アップサイクルの可能性展 UP-CYCLING POSSIBILITY」。

詳しい開催スケジュールは次のとおりです。

■会期
2023年4月4日〜4月22日 / 5月15日〜6月3日

■時間
11〜18時 / 定休日 日曜

■場所
みなとみらい線・新高島駅 資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)2階 S/PARK Museum FUTURE ZONE

ちなみに本プロジェクトでは、アップサイクルを自分ごととして考えるきっかけになる「アップサイクル発明ゲーム」キットも開発しています。

「こわれたモノカード」と「パワーアップカード」を組み合わせて、自分オリジナルの「発明品カード」を作る体験ができるそう。展覧会にはゲームの参加型コーナーも展示されますよ〜!

参照元:S/PARK、プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch