大ヒット映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚、『マッドマックス:フュリオサ』が2024年5月31日に、ついに日本公開を迎えました。

オープニング興収としては、前作『怒りのデス・ロード』の初週末(※)の数字を超える成績を記録し、週末興行収入&動員ランキング並びに今年公開の洋画作品において初の週末動員ランキング1位を獲得する大ヒットスタートを切ったそうです。

かつて、マッドマックス沼民だった私としては、この日を今か今かと待ちわびておりましたが、いざ鑑賞してみたらまごうことなき大傑作で胸がいっぱいに……!!

しかし、SNSでは賛否両論の意見が飛び交っているようなんです。今回はそんなポイントも踏まえたうえで「新作で注目してほしい5つのポイント」をお届けしたいと思います!

※ちょっぴりネタバレがあります!※

【あらすじ】

世界が崩壊してから45年。10歳のフュリオサは、生まれ育った「緑の地」で幼馴染みと果実採りをしていたところ、ディメンタス将軍率いるバイカー軍団に見つかり連れ去られてしまいます。

フュリオサが拉致されたことを知った母メリー・ジャバサは、必死にあとを追いかけ、孤軍奮闘しますが、無残にも殺されてしまうのです。

ディメンタスはフュリオサに「リトルD」と名付け、娘として育てようとします。しかし、フュリオサにとってディメンタスは「敵」でしかありません。ここから、フュリオサの15年にもおよぶ孤独な戦いが始まるのです。

【新作で注目してほしい5つの鑑賞ポイント】

「デス・ロード」へつながる、フュリオサの怒りの根源がわかる本作。前作は3日2晩の物語でしたが、今回は15年!!!!!

フュリオサがいかにして生き、なにに「怒り」を感じて耐えてきたのかを丁寧に描いた物語でもあります。

それではここからは、かつて『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にハマりまくった元・沼民が新作で注目してほしい5つのポイントをご紹介します!

①前作の登場人物たちがわんさか出てくる

前作に登場した主要人物たちが続々登場、「当時はこんなポジションだった」「こんなふうに生きていた」とわかるシーンがバンバン出てきます。

若かりしころのイモータン・ジョー、人食い男爵に武器将軍はもちろん、ジョーの息子・リクタスやフュリオサの幼馴染み・バルキリー、医者のオーガニック・メカニックなど、前作ファンにはおなじみのキャラがいっぱい。

彼らがスクリーンに登場するたび、「あっ!あの人だ!」と胸が熱くなり、自然と涙がこぼれてしまいました。開始5分ですでに涙してしまったのは私だけでしょうか……。

②オマージュシーンや特別出演も盛りだくさん

前作で印象的なシーンといえば、やはりカーチェイス。本作でもがっつりカーチェイスを繰り広げておりますよ。

その際に流れるBGMやウォー・タンクの汽笛が、前作と全く同じなので、パブロフの犬のごとく「興奮スイッチ」がON状態に! 既視感のあるカメラの構図、オマージュ的なシーンにも、胸を撃ち抜かれてしまうことでしょう。

また本作では、全貌が不明だった「ガスタウン」や「弾薬畑(バレットファーム)」にもスポットが当たっているので必見です。前作でも大活躍した凄腕バイカー集団「イワオニ族」の再登場、終盤でカメオ出演する「マックスらしき人物」にもぜひご注目ください……!

③新たな飛び道具も登場

あっと驚く飛び道具的なアイテムがたくさん登場する、カーチェイスのシーン。

たとえば、前作には「振り子のような長い棒」に乗った敵が襲ってくるシーンがありましたが、本作には砂漠でウェイクボード&パラセーリングしながら襲ってくるシーンも!

こうした、普通ではありえない攻撃方法(?)が組み込まれているのも、マッドマックスならではです。フュリオサの宿敵・ディメンタスが乗っている「3台の無人バイクが戦闘用馬車を引っ張るマシン」もすんごいので見逃さないで。

④今回もクセキャラづくし

クセの強いキャラしか出てこないマッドマックスシリーズ。若かりし頃のイモータン・ジョー率いる「シタデル(砦)」の一味も強烈ですが、ディメンタス軍団もなかなかの曲者ぞろいです。

クレイジーでちょっぴり(かなり?)おバカなリーダー・ディメンタスをはじめ、眼窩がむき出しになった腹心・リズデール、道化をしながら手話通訳もこなすスメッグ、ツノをつけた最強チーム・モーティファイアー部隊など、目を引くキャラの多いこと!

個人的には、ディメンタス軍団の「知」を担う「賢者(ヒストリーマン)」が気になりました。彼は、前作に登場したミス・ギディさながら、世界の歴史をタトゥーにして全身に刻み込んでいます。

⑤賛否を呼ぶ「辻褄の合わなさ」の正体

本作の公開直後から、SNSでは「ストーリーの辻褄が合わないのでは?」という感想がチラホラとあがっていました。というのも、前作のパンフレットには、

・母の死後にイモータン・ジョーの子産み女になり監禁生活を送る
・ジョーの怒りを買って左腕を失う
・ウォーボーイズに入隊し、執念で大隊長に上り詰める

といったことが書かれているのに(※本編には登場しないエピソードです)、本作ではやや異なるストーリーが描かれているから。また、「フュリオサがイモータン・ジョーを憎む動機がわからない」といった声も見られます。

この点に関しては、様々な意見があるかと思いますが、私独自で出した結論としては

・マッドマックスは「語り部による神話」だから(※終盤で語り部が出てくる)
・女性たちを「子産み女」として囲っている時点で、十分恨む理由はある

でした。皆さんはどう思うか、鑑賞したらぜひ感想を聞かせて欲しいです!

【前作は絶対に観て】

……と、ここまで読んでくださった方はもうお気づきでしょうが、私個人としては「本作は前作ありきの作品」だと思っています。

素晴らしい前日譚があるからこそ、前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のストーリーによりいっそう深みが増し、2つの作品をさらなる高みへと押し上げているからです。

というわけで、ぜひ前作を観た上で、劇場に足を運んでください。ハァ〜〜、できることなら、『マッドマックス:フュリオサ』と『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の2本立て応援上映をやってくれないかな〜〜!

※2015年6月20~21日

執筆:田端あんじ (c)Pouch

マッドマックス:フュリオサ
大ヒット上映中!日本語吹替版同時上映 IMAX /4D/Dolby Cinema/ ScreenX
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