上の写真をごらんください。各部屋ごとに壁の色が異なる、なんとも可愛らしいドールハウスです。でもあれ? ちょっと待って……なんだかコレ、ドールハウスじゃないような気もするぞ……。

みなさまお気づきですか? お察しの通り、こちらの写真に写っているのは、本物の家! 元々ボロボロだった廃屋を片面スケルトンのドールハウス風に改装しちゃったものなんです! 世界には、ずいぶんと奇特な方がいるんですね~。

ドールハウス風の建物を作ったのは、カナダ・サスカチュワン州の芸術家、Heather Benningさん。彼女は去る2007年、自分の父親が所有していたカナダ・マニトバ州の土地にある古い農家を今のかたちにしようと決意します。

彼女はなぜ、そんなことを思いついたのでしょう。それは、その廃屋に彼女の幼い頃の思い出がたっぷり詰まっていたから。

建物の北側の壁をすべて取り除き、アクリル樹脂をはめ込むことによって、外から中が見えるドールハウス風の様相を実現させたBenningさん。けれどその反対側、つまり南側の壁は、廃屋の趣をそのまま残しています。これは、「大切な思い出を壊さずに残しておきたい」という彼女の強い思いの表れ。う~ん、なんだかちょっぴり胸が熱くなっちゃいます。

幼い頃の思い出をドールハウスになぞらえ、廃墟を美しく生まれ変わらせる。しかもそれを、単なる郷愁の産物なんかではなく、見事な芸術作品として成立させてしまったところは、「さすが芸術家!」とただただ感服。

今は思い出すのさえ難しいほど遠い記憶だけれど、女子なら誰しも、少女の頃こんな家に憧れた経験があるはず。スケルトンなので住むことはできませんが、この実写版(?)ドールハウス、一度は体感してみたいぞぉっ。

(文=田端あんじ)

参考元:heatherbenning.ca(http://goo.gl/tUnWj

▼ボロボロの廃屋が……

▼可愛いドールハウス風建物に大変身!

▼お見事です☆