酒好き女子のために自宅で作れるオススメレシピをご紹介する「女子のんべえ部」、今回はしっかりと冷やした白ワインにジャストなお手軽スペイン料理です。ニンニクの香りととうがらしの辛さもまさしく夏向きなこの1品、できるだけ雑に作るのがおいしさのコツ、なのだそうな。
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8月のスペイン南部・アンダルシア地方の暑さときたら、文字どおりの酷暑! なかでも「スペインのフライパン」という異名をもつ街・グラナダはこの時期、街特有の異国情緒を味わう余裕がまったくなくなるほどの強烈な日差しに包まれます。
迷い込んだ旧市街の路地裏にバルを見つけ、駆け込んでまずは冷えたビール。汗だくでアジアの女子が飛び込んできたわけで、店員くんは苦笑いです。「フライパン(la sarten)を満喫できた?」なんて冗談を言われつつ、白ワインとそれに合うものを作ってもらいました。
そうして出会ったのが「えびのピルピル」でした。耐熱容器でえびとガーリックを煮込んだもので、「ピルピル」とは加熱されたオリーブオイルがはじける様子を表します。これ自体はスペイン全土にあるバルの定番料理だけれど、この店員・ラモンくんが目の前でやってくれたものは気持ちいいぐらいに適当、雑! にんにくを雑に切って適当にワイン入れてオイル入れてオーブン! それは料理なのか?
なのに、どこで食べたものより美味しいのです。あふれてくるガーリックの香ばしいかおりとオイルの甘み、ほどよく煮こまれたエビの味が付け合せのパンと白ワインに絶妙に合う。カウンターの向こうには超ドヤ顔のラモンくん。「料理は手をかけすぎないほうが美味しいんだよ」ですって。
さあ、このグラナダ式(もしくはラモンくん式)の「えびのピルピル」を、安価な「むきえび」で作ってみましょう! 白ワインを冷やし、またできればバゲットを用意してみてください。
【材料】
・むきえび……1パック(10~12尾程度)
・にんにく……2~3カケ
・アンチョビ……2枚
・赤とうがらし……1~2本
・パセリ……適量(ひと枝くらい)
・白ワイン……大さじ3~4程度
・オリーブオイル……大さじ6程度
・塩、こしょう……適量
01) えびの下準備
こんな感じでおなじみの輸入モノむきえびを使います。冷凍のものを解凍して使ってもOK。安いやつで気軽に作りましょう。
塩水でしっかり洗い、ぬめりやくさみをとります。気になるなら背わたも取って。
また、このあたりでオーブンを200度に余熱をしておきましょう。
02) 材料の準備
にんにくはみじん切りよりかなり粗めにカット。6~7ミリぐらいの大きさに、できるだけ雑に切りましょう!(そういう意味では写真のは失敗ぎみかも)
赤とうがらしは手で適当にちぎっておきます。パセリはみじん切り。
アンチョビは細かめに切ります。このとき、小皿に入れてスプーンでつぶしながら切っていくとラクです。
03) 耐熱容器に入れる
ココットなどのオーブン調理に耐えられる容器に、まずはえびを入れます。
続けて、にんにくととうがらし。
アンチョビとパセリを入れてこしょうを振り、塩をごく軽め(小さじ1/3程度)に入れます。アンチョビがあるので塩は控えめでOK。
ワインを注ぎます。底から1cmの高さになるくらいを目安に……なんてえびが入っていてわからないので、適当でよし!
続いてオリーブオイル。えびが全て浸かるくらいに入れます。ワインとオイルが1:2ぐらいの比率になるとちょうどいいでしょう。いずれにせよ、適当で大丈夫です。
こんな感じです。
04) オーブンで焼いて完成!
200度でじっくり、20分を目安に焼きましょう。20分後に様子を見て、オイルがじゅわじゅわ、ピチピチ跳ねていたら完成!
アツアツだけど、その分冷やした白ワインが美味しいですよー! ガーリックとエビのエキスがふんだんに溶け出たオイルも、切っておいたバゲットにつけて食べればまた最高。そしてなにげに「アサヒ・スーパードライ」や「キリン・淡麗」などのスッキリ系ビール類にもよくマッチします。
さて、20分焼いたあと、もしオイルが静かならまだあと10分~20分ぐらい焼いてみましょう。早く引き上げすぎると、ガーリック味が薄いうえにワインのアルコール分が残ってしまい残念な感じです。フライングは無し、手をかけないぶん時間はしっかりかけることがポイントです。
自信満々のラモンくんだったけど、じつは1回目はフライング。ワインくさいよもうちょっと焼いてよという指示に、その日2回目の苦笑いを見せてくれたのでした。
(写真、文=女子のんべえ部・鷹泊千里)
鷹泊千里:フランス・パリのビストロでのバイトを皮切りに、日本各地の居酒屋で軒並みバイト。いろいろな料理人を横目で見てきた経験を活かしてうまいつまみを作る。
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