皆さん、サプライズはお好きですか? 友達が自分の誕生日をサプライズパーティーで祝ってくれたり、友達の結婚式で、友達をこっそり準備した動画で驚かせたり。サプライズをしてもらうのはもちろんのこと、サプライズを企画して、相手がびっくりし、喜んでくれるのをみるのもうれしいものですよね。

ただ、サプライズを企画するのって、ちょっとハードルが高いこともありませんか? 記者は、サプライズを考えるのが大好きですが、同じ相手に何回かサプライズを仕掛けると次第にワンパターンになってくるし、そもそも何をしたら相手が喜ぶか、思いつかないこともあります。記者には「サプライズ企画力」がたりない!!

そんな記者のようにサプライズ好きだけど、サプライズ上手ではない人に知っていただきたい、「サンタのよめ」という団体に、取材に行ってきましたよ。

こんな暑い時期に「サンタ」? そう思った人もいるかもしれません。しかし、サンタさんは、クリスマス当日以外毎日、世界の子ども達に贈るプレゼントを用意しているのです。この「サンタのよめ」という団体も1年中、周りの人をびっくり喜ばせるための企画を行なっています。

■「サンタのよめ」が行なったサプライズ企画の例
ここで、今までに「サンタのよめ」が行なったサプライズを1つ紹介しましょう。

夜10時のとある空港。誕生日当日の2月25日に出張に行くことになったSさんは、お父さんの「早めに空港に行った方がいい」という助言に従って、かなり早めに到着。

搭乗手続きのために航空会社のカウンターに行くと、グランドホステスさんから謎の古文書を渡されてビックリ。古文書に従って空港内を進むと、そこに見えてきたのは空港にいるはずのない親しい友人の姿。しかも、胸に「2月25日」とデザインしたマークを付けてる! 驚きと感動で涙を流していると、その友人から次の謎が書かれた古文書をもらって……。

古文書の謎を解きながら空港内を進むごとに、胸に同じマークを付けた友人、知人が待ち構えていたのです。結局15人ほどが集まり、最後にケーキと、前からほしいなあと思っていたものをプレゼントされて、大感激&大号泣。涙が止まらないSさんでした。

どうですか? 記者は、今までやってきたサプライズとのレベルの差にびっくりしました。空港内の下見をずいぶんとしないとできないような古文書の謎を仕込んだり、Sさんのお父さんにもご協力をあおいだりと、企画力・行動力の高さに驚きますよね。サプライズに込められた「愛」の深さが、伝わります。

■ステキなサプライズを成功させるコツ
こんなステキなサプライズができるようになるには、どうしたらいいのでしょうか。お話を伺ったり、記者が「サンタのよめ」のホームページから学んだりしてわかったコツの中から3つ紹介します。

1.周りを巻き込んでチームを作る
やはり、ひとりで全部サプライズを仕掛けるとなると相当大変です。でも、人数がいれば良いってものでもないですよね。肝心なのは、どんな人とチームを作るか。チームには「サンタ」タイプ、「サンタのよめ」タイプ、「小人」タイプがいると良いのだそうです。

○「サンタ」タイプ
とにかく「サプライズを成功させたい」と熱い思いをもっている人。誰かと交渉することをいとわず、困難なことがあってもみんなが前向きに頑張れるように、気持ちをリードすることができる人です。
○「サンタのよめ」タイプ
企画力と段取り力がある人。相手が何を求めているかをうまく汲み取ったり、何をいつまでにしなくてはいけないかを考えたりと、細部に目が行き届く人。
○「小人」タイプ
もの作りが好きな人。職人っぽい人。この人がいるだけで、サプライズのクオリティが非常に高くなります。

この3タイプでサプライズを行なうと、古文書を作り(小人タイプが主導で作る)、Sさんのお父さんに交渉して、早く空港につくように言ってもらったり(サンタタイプが交渉)Sさんが日頃ほしがっていたものをプレゼント(サンタのよめが準備)したりするようなことができるわけですね。

2.サプライズを仕掛ける過程を楽しむ
サプライズをしようとすると、やはり企画や準備に時間やパワーもかかるもの。だからと言って、「相手に喜んでほしい」と思いすぎると、相手に感謝を要求しているのと同じことになってしまいます。そんなの、せっかくのサプライズなのにちょっと変。そんなことにならないために、仕掛ける過程が楽しいと思えるようなサプライズを考えると良いのです。

3.非日常を大切にする
とにかく、いつもしないことをするということがサプライズを仕掛ける際の基本です。いつもは行かないような場所に行くように仕向けたり、いるはずのない人を呼んだり、いつもと全く違う格好をして驚かせたり。普通に生活をしていたら、絶対に起こらないようなことをやって喜ばせるのがコツです。

なんと、「サンタのよめ」では9月から、サンタのように贈り物を届けるような生き方をする人を輩出すべく、「サンタ学校」も開講するとのこと。サプライズ上手になりたい人は、行ってみてはいかが? また、「サンタのよめ」ホームページにはプレゼントやサプライズの体験をシェアし合える「プレゼントの記憶箱」というページや、サプライズの心得やサプライズのタネなどを学べる「サプライズのタネ」というページがあります。上に書いた以上のコツが学べますので、一度、「サンタのよめ」のホームページを見てみてください。

また、「サンタのよめ」では、特定の人をサプライズで幸せにするだけでなく、図書館にクリスマスの日にサンタの格好をして大勢で出かけたり、企業や団体のサプライズ企画の相談に乗ったりする活動もしているんですって。

「サンタのよめ」の代表のマキさんはこう言います。
「サプライズは、仕掛けて何かを『渡す』ようなつもりでいたら、もっと大きなものを『受け取っている』気持ちになってしまうもの。」

確かにそうかもしれません。サプライズをする人がもっと増えれば、人生が楽しくなる人が増えて、ステキな世の中になるなあと記者は感じました。皆さんも一度、「サンタのよめ」のホームページをのぞいて見てください。

(取材、文=FelixSayaka / 写真提供=サンタのよめ)

取材協力=サンタのよめ(http://santanoyome.com/