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水に生まれる波紋。その中心に浮かぶようにスッと立つ、素朴でいて可憐な花々。でも……あれ? 一体コレ、どういう仕組みになってるの!?

その正体はデザインスタジオ『oodesign』が手掛けた、『Floating Vase / RIPPLE』という花器。そう、実はこちら、水に浮かぶ波紋のかたちをした透明の一輪挿しなのですっ。

『Floating Vase / RIPPLE』の中心にあるスリットに茎を挟んで固定するだけという、実にシンプルな一輪挿し。しかし、ここまで自然に溶け込んだ花器は、未だかつて目にしたことがありません。

水や風の動きをふと感じることができる、非常に抒情的ともいえるこちらのアイテムは、一体どのような過程を経て生まれたのでしょうか。『oodesign』代表の大村卓さんに、お話しを伺ってみました。

「かつては花瓶すら持っていなかった私がこの作品を製作するに至ったきっかけのひとつ、それは、いただいた花を洗面器に寝かせたまま枯らしてしまったという、悲しい経験でした。洗面器しかなくとも、そこに花をスッと立てておけるようなものがあればいいのに。そんな思いからこの作品は生まれたのです」

なるほど、たしかに『Floating Vase / RIPPLE』なら洗面器しかなくても、いやむしろ洗面器のような形態の器のほうが、その良さがより一層映えそう! でもまさか、現在のように「国内外から注文が殺到して発送が追いつかないほどになる」なんて未来は想像していなかったのでは?

「これまでそういう経験がなかったので、この反応は単純に嬉しいものでした。ただ、海外の方々から届く途切れない問い合わせメールに対応しきれていないのが、少し残念ではありますが」

アイデアが生まれてから7年ほどを費やし、2010年『DESIGNTIDE TOKYO』における発表を経て、今年ようやく商品化されたという『Floating Vase / RIPPLE』。ありのままのかたちに寄り添った日本の美意識が、否が応にも私たちの心を惹きつけてやみません。

「ぜひこの目で見たい!」「なにがなんでも欲しい!」という、そこのあなた。来る5月3・4日に青山スパイラルホールで行われるイベント『Spiral Independent Creators Festival』で展示・販売される予定とのことなので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。現在サイト上では完売状態の同アイテムをゲットできるこの機会、逃さないテはありませんよ~。ご都合がつく方は、ぜひ。

(文=田端あんじ)

参考元:oodesign

▼引き算の美学、ここに極まれり!

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