[公開直前☆最新シネマ批評&イベント体験レポ]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介。今回はイベント体験もレポートします!
今回ピックアップするのは、空腹のときに見るとお腹がグーと鳴る美味映画『マダム・マロリーと魔法のスパイス』。なんとインド料理店とフランス料理店がバトルを繰り広げながらも交流してゆく姿を描いた料理愛と人間愛に満ちた作品です。
【物語】
南フランスの町にインドからやってきたカダム一家。インドでレストランを経営したいたけれど、選挙がらみの闘争に巻き込まれレストランを失い、フランスにやってきたのです。一家の主パパ(オム・プリ)はインドレストランをオープンする場所を探し、見つけた場所は有名フレンチ料理店の目の前!その店のマダム・マロリー(ヘレン・ミレン)はミシェランの星を増やすことに情熱を注いでいました。敵対するインドとフレンチの名店。そんな中、カダム一家で絶対味覚を持つ男と言われる次男のハッサン(マニッシュ・ダヤル)が、フランス料理を学びたいと言い始めて……。
【料理への情熱が和解を導く】
『マダム・マロリーと魔法のスパイス』は高級食材を用いて確かな腕で繊細な味を作りだすフレンチの名店とスパイシーな味わいでやみつきの美味しさを提供するインド料理店がライバル関係になるという物語。フレンチのマダムはミシェランの星獲得にイジョーな情熱を燃やしており、かたやインド料理のパパは町の人々の胃袋を楽しませようと情熱を燃やしています。このフレンチとインドのガチバトルが楽しい。マダムとパパのバトルは大人げないのですが、だからこそ笑えるのかも。そして、お互い自分の店の料理に誇りを持っており、お料理でお客様をもてなすのが好き。そんな仕事の本質が理解しあうきっかけになるところがいいですね、ホっとします。
【絶対味覚の持ち主・次男のサクセスストーリー】
この映画にはもうひとつ重要なエピソードがあり、それが次男のサクセスストーリーです。次男のハッサンは絶対味覚の持ち主で天才料理人のタマゴなのです。彼はフレンチを学ぶことでますます料理人としての腕を上げていきます。どの分野でも天才はいますけど、料理の天才はこうやって突出した才能が目覚めていくのだなとハッサンを見て思いましたね。抑えても溢れ出してしまう才能、そしてその才能が走り出す瞬間があるのですよ。ハッサンが天性の才能を開花させていくプロセス、どんな料理を作りだすのかとワクワクします。
【映画の料理を味わってきました!】
さて今度は体験レポです。映画公開に先駆けて『マダム・マロリーと魔法のスパイス』をサブテーマにしたイベント「スクールフェスティバル」がル・コルドン・ブルー代官山校で行われ、記者は、映画に登場する「ブッフ・ブルギニヨン・ア・ラ・ハッサン コルビ風」と「タルトレット・オ・フリュイ」の実演&試食と「オムレツ料理体験」を取材してきました。
・「ブッフ・ブルギニヨン・ア・ラ・ハッサン コルビ風」は、絶対味覚のハッサンが作りだしたフランスのブルゴーニュ地方伝統料理・牛肉の赤ワイン煮込み「ブッフ・ブルギニヨン」をスパイシーな味付けにしたもの。実演ではル・コルドン・ブルーのマスターシェフのコルビ氏が独自のアレンジでよりおいしく仕上げてくれました!
お肉は口の中でとろけていき、絶妙なコクとスパイスが味わい深くて、思わず「おかわり!」と言いたくなりましたよ。またコルビシェフの実演はユーモアがさく裂しており、まるで料理ショーを見ているようでした。
・「タルトレット・オ・フリュイ」は、映画では後半、ほっこり心温まるシーンに登場するスイーツをイメージしたものです。試食させていただきましたが、イチゴ、フランボワーズ、グレープフルーツなどのジューシーなフルーツとサクサクのタルト&濃厚なクリームの相性が最高! たまらない美味しさ! これ女子は大好きですね。
豊長テクニカル・ディレクターの実演は、豆知識がいろいろ。「ケーキ作りで一番難しいのは焼くこと。オーブンの温度と時間設定は難しいのです」「ブラックシュガーと三温糖は違います。三温糖にはミネラル成分はありません」など、これまた楽しく美味しい実演会でした。
・「オムレツ料理体験」は、オムレット・オ・フィーヌ・ゼルブ(ハーブ入りオムレツ)を作りました。マダム・マロリーのお店のスタッフになるためにはこのオムレツが上手にできなくてはいけません。重要なのは手早くやること。記者はさっそくバターを焦がして「せんせ~い」と助けを呼ぶという情けなさ! これではマダム・マロリーのテストでは絶対失格です……。
卵は中がトロトロすぎるくらいでOKのようです。オムレツを切ったときにトロリンと流れる卵液はパンですくっていただくのがフランス風。なるほど!
オムレツは自宅で簡単にできるのでレシピを明記しておきます。
(オムレツの作り方)
<材料>
卵:3個(Mサイズ)サラダオイル:大1 無塩バター:5g ハーブ(チャーピル、シェイブ、タラゴン、パセリ)各3 ミニトマト:3個(小・一部付け合せ用)塩、コショウ(適量)澄ましバター
<使用フライパン>
テフロン加工24センチ
<作り方>
1:ハーブ類はよく洗い、水気を切って、葉と軸に分ける。葉先だけ使用。ハーブ類は飾だけ残して、あとは細かく刻む。トマトはヘタを取って縦半分に切る。
2:調理直前に卵3個をボウルに割り入れ、塩コショウして、1のハーブを入れて、よく混ぜる。
3:フライパンをよく熱し、サラダ油を入れて火を弱め、バターを加えてムース状になったら2の卵液を入れ、フォークでやさしくかき混ぜて、固まり始めたらトマトを散りばめて、火からおろし、フライパンを軽くゆすり、フライパンと卵が離れるのを確認したら、フライパンの柄を持ち上げながら、オムレツを二つに折りたたむ。
4:お皿にスライドさせるように盛る。キッチンペーパーで覆って形を整えて、照りをだすために澄ましバターを表面に塗って、残ったトマトやハーブを盛り付けて完成!
取材・執筆=斎藤香(c)Pouch
『マダム・マロリーと魔法のスパイス』
2014年11月1日より、ル・シネマ、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ヘレン・ミレン、オム・プリ、マニッシュ・ダヤル、シャルロット・ルボン、ミシェル・ブランほか
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▼こちらは映画のシーン! おなかが減ってきます〜
▼こちらは代官山の「ル・コルドン・ブルー」の画像です
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