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海上自衛隊では、海上生活での曜日感覚をなくさないようにするために毎週金曜日にはカレーを食べる習慣があり、その習慣は現在でも続いているんだそう。

海上自衛隊のホームページには、調理員さんたちによるオリジナルレシピが数多く公開されていますが、なかでも力を入れているカレーのレシピは実に40種類以上も! それぞれの艦艇・部署には秘伝のカレーが存在するそうなんですが、40種類と言ったら、家庭で週に1度カレーを作り続けていても、1年近く毎回違う味が楽しめる量ということでちょっとすごいですよね。

「野菜カレー」や「ビーフカレー」など、シンプルなメニュー名が多いなか、今回とりわけ目を引いたのが、那覇航空基地隊の「愛情たっぷりカレー」。なんだか家庭的な温かみを感じるネーミングです。

作り方を見てみると、「さつまいも」や「桃缶」「骨つきとり肉の出汁」を使うとあり、なんだか味の想像ができなくて楽しそうじゃあ、ありませんか!

そこで本日は、海上自衛隊の名物カレーを素人が作ってみたらこうなるよ! ということをレポートしたいと思います!

【記者(私)の料理レベル:料理初心者の域は脱している(気がする)】

私は家を出て、自分で台所に立ち始めて今年で4年目。つまり、料理初心者ゾーンはなんとなく通過できたけど、まだ挑戦したことがないモノもたくさんあり、料理はまだまだこれからの伸び率にぜひ期待したい程度の腕前です。

【まず野菜をカット】

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まずは馬鈴薯(じゃがいも)、さつまいも、にんじん、たまねぎを食べやすい大きさに切ります。いも類は水にさらしておきます。さつまいもをカレーに入れるってなんだかとっても新鮮ですよね。ここまでは全然余裕〜!

【骨つきとり肉の解体】

次の工程を見てみると、このように書いてありました。

2 骨つきとりもも肉を骨から外し、一口大に切る。

3 骨で出し汁を作る(アクはこまめにとる)。

そんなことやったことないぞ〜! とはじめての「骨つきとり肉」に四苦八苦しながら骨を外していきます。骨つきとり肉は、BBQに強いスーパーに置いてありました。いつもパックのむね肉やもも肉を使用している私にとっては、まだ若干血のついている肉を扱うのはちょっときつかったです。いつものむね肉では感じなかった「命をいただいている感」をひしひしと感じます。
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水で何度か血などを洗い流します。骨と皮から切り離した肉は、いつものものと比べるとおいしそうできれいな桃色をしていました。

【出汁の水は? 時間は?】

しかし、ここで問題が。レシピにはどのくらいの水でどのくらいの時間かけて出汁を作るなどが記載されていないのです。どうしようと迷った結果、いつも作るカレーでは600mlくらい水を入れるので、それプラス100mlくらいかな? と思い、700mlの水でとりあえず20分間ぐつぐつ骨と皮を煮ることに。

【この暑さ乗り越えてこその「愛情たっぷり」】

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しかし、その日は熱中症が多発するような猛暑だったため、アクが出るやいなや私の額からも大粒の汗が。だめだ、冷房をかけても「20分ガスコンロ」の前では耐えられないかもしれん……。それでも、この暑さを乗り越えてこその「愛情たっぷり」なのだ。ここでやめるわけにはいかぬのじゃ、わしゃ、じいさん(夫)に旨いカレーを食わせてやりたいんじゃ……。

と、心のなかで寸劇を繰り広げつつ、20分がやっとこさ経過。

【出汁がちょっと足りない(汗)】

出汁をとっているあいだに、油を引いた鍋におろしにんにくを熱し、とり肉を炒めてから最初に切った野菜に火を通しておきました。そして汗水たらしてとった出汁を投入! すると、水分がかなり飛んでしまったせいなのか、それとも具材が多すぎたのか全然ひたひたにならず、あえなく水をさらに200mlくらい追加しました。

【買い忘れた牛乳を買いに】

沸騰したら、白ワインと赤ワインを入れ、アクをとりながら様子を見ます。ここからはもうあまりにも暑いので、とろとろに煮込んでくれる保温ジャー「シャトルシェフ」に鍋を入れて、ひとまず買い忘れた牛乳を買いに行ってきます。

【隠し味は「桃缶」】

火が通ったところで、カレー粉で固さを調節します。海上自衛隊は海の上で食べるため固めなようですが、カレー粉は適量とかいてあるので、入れたいだけ入れてみます。
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最後に、バター、牛乳、ハチミツ、手でつぶした桃缶の桃と漬け汁、カレールウを加え味を整え、しばらく煮込んでできあがり! 近くのお店に牛乳を買いに行った時間含め、かかった時間はおよそ2時間強。

【いざ実食! 果たしてお味は?】

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できあがったカレーにゆでたまごをトッピングしていざ実食! 味は辛いけど、そのうしろから甘みがやってくる感じが病みつきになります。が、しかし、なんとなく何かが足りない……コクがもう少しほしいかなと思いました。

おそらく記者(私)の出汁の取り方が甘かったみたい。やっぱり1時間くらい煮込まないとだめかぁ。しょうがないので邪道ですが、コンソメ、味の素、カレールウ、ソースなどを追加してみると、今度はとってもおいしい! 先ほどの辛さがあるのにうしろから甘さがくる、しかもコクがすげぇ! という市販のルウでは出せない立体的なお店の味に。もうライターやめてカレー屋さん始めようかなと思うレベル。

【ちびっ子にはちと辛いかも】

ちびっ子がいる家庭では、ハチミツや桃缶を多めにするとたしかに甘くはなりますが、カレー粉で作っているので基本的には大人向けの味かもしれません。

【さつまいもはカレーに合う絶品食材!】

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さらに気になっていたさつまいもですが、煮込んで柔らかくなってホクホクな食感とほんのーりな甘さが超いい感じ! さつまいもはカレーにピッタリの食材だということが判明! 次からも入れよーっと。

【まとめ:「愛情たっぷりカレー」はごちそうカレー】

出汁の取り方の甘さという課題は残ったものの、海上自衛隊那覇航空基地隊の「愛情たっぷりカレー」は素人でも十分おいしく作ることができました。

たしかに従来のカレーよりは時間がかかりますが、夏の暑い時期こそこのカレーを作って家族に栄養たっぷりとってもらいましょう。愛情たっぷりカレーは、まさにごちそうカレー。今回記者(私)はひとりで作りましたが、キャンプとかでみんなでわいわい作ったら、もっともっとおいしいかもなぁ!

海上自衛隊のホームページにはたくさんのカレーのレシピが掲載されていますので、みなさんもぜひ大好きな人に作ってみてくださいね!

参照元:海上自衛隊レシピ 愛情たっぷりカレー海上自衛隊カレーレシピ
料理・撮影・執筆=黒猫葵 (c)Pouch

▼材料はこちら! 馬鈴薯(じゃがいも)、さつまいも、にんじん、たまねぎ
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▼BBQに強いスーパーに売っている骨つきとり肉
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▼油、白ワイン、赤ワイン、おろしにんにく
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▼ハチミツ、桃缶、牛乳、カレールウ、バター、カレー粉
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▼野菜切ります
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▼骨から肉と皮を外します
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▼骨で出汁をとります
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▼肉と野菜に火を通します
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▼アクをとり、ワインを入れたら保温ジャーにお任せ。短時間で一晩寝かせたトロトロ具合にしてくれる便利道具です
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▼煮込んだらこんなかんじ。シチューみたいな色ですネ
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▼できあがり! 具沢山〜!
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▼辛さがあるのにうしろから甘さがくる、立体的なお店の味に
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