2018年7月13日に発売されて以来、巷の “ハルキスト” たちの間でジワジワ話題になっているのが『村上春樹語辞典』(誠文堂新光社)です。

この本は村上春樹作品を読み解くヒントが満載の “用語辞典” となっておりまして、イラストと共に500語以上を辞典形式で解説した1冊。

そんな『村上春樹語辞典』を少しでも世に広めようと各書店も気合いが入っているようで、特に目を惹くのは、東京・六本木ヒルズにあるTSUTAYA TOKYO ROPPONGIがインスタグラムで公開している紹介文です。

【#もしも村上春樹が書店員を主人公に小説を書いたら】

「その女は、僕のいるレジにまっすぐ近づいてきた」

の一文から始まる紹介文は、村上作品の文章が持つ特徴をほぼ完ぺきに再現した力作。添えられたハッシュタグ「#もしも村上春樹が書店員を主人公に小説を書いたら」が、紹介文のテーマになっているようです。

ハッシュタグにあるとおり、その内容は、書店員の “僕” が『村上春樹語辞典』を求めて店にふらりと現れた “女” とやり取りをする様子を “村上作品風” に描写したものだということがわかります。

【感想「わかってらっしゃる!!!」】

まず目に飛び込んでくるのは、「新月のように淡く静かな声で」だとか、「賢い猫のように案内する僕」とかいった、 “村上節” を感じられる独特の言い回し。

どこかもったいぶったような会話も、ゴダールの映画やローリング・ストーンズの音楽について盛り込んで洒落た印象にしているところも、締めくくりの一文が「その日、僕の2018年の夏が始まったのだった」なのも、ツボを押さえすぎていて思わずうなってしまうんですよね~!

きっとこの紹介文を書いた方は、村上作品を読み込んだハルキストに違いないっ! いやはやそれにしても、さすがの再現率~~~!

【これを読めば村上春樹作品のすべてがわかる、かも!?】

ちなみに、『村上春樹語辞典』は翻訳を含む全作品の中から、約500語を選出。主な登場人物、頻出するキーワード、作家の名言や学生時代の逸話までもが収録されているそうで、村上作品に登場する料理やカクテル、独特な比喩表現まで網羅されているというのだからシビれます。

解説は、ハルキストの聖地と言われるブックカフェ「6次元」のナカムラクニオさんと道前宏子さんなので、かなりマニアックな内容となっている気がするゾ~!

【実際に作品を読んだ気になれそうです】

“辞典” と銘打たれているし、実際の情報量も豊富そうですが、イラストがたくさん盛り込まれているせいか、誌面が雑誌のようで読みやすそうな点も大きな魅力。

外国語版の装丁などをテーマにしたコラム作家ゆかりの地を紹介したマップなど、なにからなにまで至れり尽くせりで、楽しみ方も無限大っ。

これ1冊しっかり読み込めば、村上作品を読んでいなくとも、ハルキ作品や村上春樹ご本人について詳しくなれちゃいそうな気がするわ……!

参照元:プレスリリースInstagram @tsutaya_tokyo_roppongi_book
執筆=田端あんじ (c)Pouch