平成最後のお正月にネット上で話題なっていたのが、2019年元日の新聞紙面に掲載された、百貨店西武・そごうの広告です。

「女の時代、なんていらない?」

というキャッチコピーのすぐ隣に大きく写されていたのは、顔面にパイを投げつけられてクリームまみれになった女性の姿。

2018年12月31日には広告と連動したオリジナルムービー『わたしは、私。』がYouTubeに公開されているのですが、動画を見ると、パイをぶつけられているのは女優の安藤サクラさんだということがわかります。

【「女性にパイをぶつける」描写が物議を醸す】

「女だから、強要される。女だから、無視される。女だから、減点される。女であることの生きづらさが報道され、そのたびに、女の時代が遠ざかる」

この印象的な一文から始まる広告は、女性を取り巻く現状に言及しつつ、「 “女の時代” ともてはやされるうちは、女性にとってまだまだ生きづらい社会ということなのだ」と訴えかけているようにもとれます。

「時代の中心に、男も女もない。わたしは、私に生まれたことを讃えたい。来るべきなのは、一人ひとりがつくる、『私の時代』だ。そうやって想像するだけで、ワクワクしませんか」

と力強く話し続ける安藤さんに容赦なくぶつけられるのは、真っ白なパイ。ネットでは「女性にパイをぶつける」という表現などが物議を醸していて、YouTubeやツイッターには賛否両論たくさんの意見が寄せられているんです。

【意見は完全に賛否両論】

特に女性と思われるユーザーの意見に注目してみると、

「とても不愉快な気持ちになりました」
「この写真にどういう意図があるのか全くわかりません」
「やられっぱなしな写真は違和感」
「顔にパイぶつけられてるのは、まさに女性の現状そのもので、痛ましさしか感じない」
「動画も、パイ投げつけられてから、結局1人で耐えて対処して、怒るわけではないというのが引っかかるんだよね」

といった批判的な声が多数。しかし一方では、

「ムービーの方みるとちょっと印象ちがうかも」
「これ動画としてはすごくかっこいいと思う」
「パイが社会の不条理だとして、それをくらいつつも不敵に笑ってみせる強さ。意にも介さず拭っていく安藤サクラの仕草がかっこよかった」

と好意的な意見もあって、新聞広告とムービーでは、良い意味で異なる印象を抱いたという人も少なくなかったようでした。

【見方は受け取り方は人それぞれ】

また私個人としては、

「真っ白なパイは “女性に向けられたあらゆる悪意や抑圧” で、ぶつけられているのは、 “わたし” を含む現代に生きる女性たち

というふうに理解して鑑賞したのですが、ネット上には

「パイをぶつけられているのが “世間的な女性像” で、そこにパイを投げているのが “わたし”

といった意見もあって、今回の広告とムービーに対する受け取り方や見方は、本当にさまざまあるのだと実感した次第。

さてみなさんは、今回の広告をどのように感じたでしょうか。

参照元:西武・そごうYouTubeTwitter検索 西武そごうTwitter検索 https://youtu.be/BXE2Q_gzWKM
執筆=田端あんじ (c)Pouch
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