アウトドアブランドのパタゴニアが、来年2020年4月1日から直営全22店舗でお持ち帰り袋を全廃すると発表しました。

パタゴニアはアウトドア、つまり自然のなかで過ごす活動のためのブランドであることから、環境保護活動に熱心に取り組んでいることでも知られています。

1989年の日本第1号店オープンのときには当時まだあまりなかった再生紙100%のお持ち帰り袋を提供するなど、環境によいと思われることを率先して実行しています。

【有料袋は不提供、マイバッグ or エコバッグを使って】

G20大阪サミットで「2050年までに海洋プラスチックごみの流出をゼロにまで削減する」ことが世界共通の目標として共有されて以降、日本政府はレジ袋の有料化を義務付ける省令改正の施行を目指しています。

これを受けパタゴニアは、袋の有料化ではなく「マイバッグ持参かエコバッグのシェア」という方針を掲げました。

【「お持ち帰り袋」に関するこれまでの取り組み】

パタゴニアはこれまでにも、「環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える」という強い信念のもと、さまざまな取り組みを実施。

1990年代にはマイバッグの持参を奨励

2000年以降は、お客さんから回収した紙袋の再利用を行ったり、リサイクル原料100%のお持ち帰り袋をデポジットで循環させるシステム「デポバッグ」を作ったりしてきました。

【みんなにマイバッグを使ってほしいから】

そうした働きかけによって、今ではお客さんの83%がマイバッグを持参するようになったとのこと。かなりいい結果ですが、ここまできたならすべてのお客さんにマイバッグ持参を協力してもらえるようにと、2020年4月からのお持ち帰り袋全廃に踏み切ったそうなんです。

【エコバッグを循環・共有するシステムもスタート】

しかしときには、小物をたくさん買ったのにマイバッグを忘れてきた、など「どうしてもお持ち帰り袋が必要!」ということもあることでしょう。

そんなケースに対応するべく同日に開始されるのが「エコバッグ・シェアリング」。各家庭で使用されずに眠っているエコバッグを循環・共有するというものです。

これにともない、使わないエコバッグの回収を2019年10月16日からスタートしています。パタゴニア製のものだけではなく他社製でもよいとのことなので、可能な方は提供してみてはいかがでしょうか。

買い物したときに1度しか使わない袋は、有料でも提供しない。でも不便にならない方法をきちんと考える……さすがパタゴニア、一本筋が通っていますね。

参照元:プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch