2021年1月21日、ルイ・ヴィトンがパリで2021秋冬メンズ・コレクションのファッションショーを開催。YouTubeにおいてライブ配信も行われました。
ランウェイはまるで真冬の街角のよう。
せわしなく人々が行き交う場面から一転、モデルたちが微動だにせず立ち止まるシーンは、都市機能が停滞してしまった2020年以降の世界を表しているかのようです。
【今と重なる演出が胸を打つ】
ベンチで語らう人たちの前を、足早に通り過ぎてゆくモデル達。
道に行き倒れている人がいようとも、気にすることなくズンズンと歩いていく姿が印象的です。
雑踏の中をしばらく歩いていくと、いつの間にか人がいなくなって、時の流れがぴたりと止まったかのような世界に……!
様々な人種、アイデンティティ―を持つ人々が、一斉に静止する姿に現在を重ねてしまいます。
【「人が消えた街」を着る】
ふと、モデルたちが着用しているアイテムに目をやると、飛行機や街並みのモチーフが多いことに気がつきます。
手には大きなトランクを抱えており、旅行を連想せずにはいられません。
ショーの終盤では、NYの都市そのもののようなコスチュームを着た男性が現れるシーンも!
海外旅行に思いを馳せる反面、空っぽな街のようにも見えて、「人が消えた都市」の象徴のようにも思えてくるんです。
【すべてを超えて自由な夢を】
ルイ・ヴィトンのメンズウェアのクリエイティブディレクターを務めるのは、ファッションデザイナー・建築家・実業家と、幅広く活動するヴァージル・アブローさん。
今回のコレクションでは、社会規範の中で形成された無意識のバイアスを、ファッションを通して変えていく試みを行っているとのこと。
人種・ジェンダー・性別などを超えて、すべての子供たちが自由な夢を持つことへの人道的なメッセージが込められているそうです。
国と国を行き来する旅は、あらゆる壁を自由に超えるイメージと重なります。
「今」を連想させるコンセプチュアルなショーを、ぜひお楽しみください。
参照元:YouTube、Instagram @louisvuitton、プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch
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