現在私はヨーロッパの西側にある島国、アイルランドで語学留学をしています。
アイルランドはヨーロッパ諸国だけでなく、南米、アジア圏などからも英語を学びに学生が多く集まる、国際色がとても豊かな国です。
語学学校のクラスメイトや、交流会で知り合った友人と話していると、けっこうな頻度で言われるのが「日本食を作ってよ!」というリクエスト。
頼まれたからには日本代表としてベストを尽くしたい……!と、勝手な使命感を持つものの、ふと「外国の人が食べたい日本食って何なんだろう?」と疑問が浮かびます。
【彼らの求める日本食とは?】
日本といえばお寿司なのかな?と思いつつも、アイルランドだと生のまま食べられる魚介を手に入れるのはかなり難しいんです。
しかも話をよく聞くとベジタリアンや、宗教上の理由で豚肉を食べられない人など状況は様々。
日本人がおいしいと思っているものが、外国の方々にも受けいれられるのかな?と地道にトライ&エラーを繰り返し、計15カ国以上の外国人に日本食を振る舞い、私なりに見つけた出したベスト5がこちら!
【味が濃い系が人気】
<第5位 肉じゃが>
味付けは醤油と砂糖のみの濃い目。出汁からしっかり取る派からすると邪道な作り方ですが、煮汁をご飯と一緒に食べるくらい甘じょっぱい味付けが大人気。
アジア圏の人達には馴染みがある味のようで、韓国や台湾の友人は口をそろえて「懐かしい味~!」と好評でした。
<第4位 ラーメン>
振る舞ったと前置きしておきながら、私がアルバイトをしていたラーメン屋さんのものです。
麺が伸び切っていたり、スープがぬるかったり……と、日本のラーメンを知っていると100点とは程遠いものですが、ほとんどの人がスープまでしっかり飲み干して完食!
どの国籍の人の間でもラーメンの知名度は高く、お寿司に次いで日本の代表的なメニューなのだなと思いました。
<第3位 お好み焼き・餃子>
餃子のもちもちっとした食感と、しっかりと味付けをしたタネの相性に感動する人が多かったです。ラー油が手に入らなかったので、タレはシンプルに醤油とお酢のみ。
お好み焼きに関しては、特にヨーロッパの人たちから「驚きの組み合わせだね」と言う意見が多く挙がりました。
まずキャベツを加熱調理すること、小麦粉をデザートやパン以外に使うことが斬新なようで、おまけに甘辛いソースはBBQソースに近く馴染みがある味だと人気でした。
第2位 とりの唐揚げ
初めて見るものだと恐る恐る手を出すことが多いのですが、唐揚げはみんな躊躇なく食べていました。
どうやらドイツにはスニッツェル、スペインはポージョフリート、台湾はダージーパイなど、各国に似たようなメニューがあるよう。
ちなみにアイルランドでは、鶏もも肉はほとんどが骨付きなので、自分で骨を取り除くところから始めるので手間がかかります……!
第1位 お寿司
やっぱり人気なのはお寿司!
お寿司と言うと、日本だと鮮魚を使った”握り寿司”がまず浮かびますが、海外の人の間では”海苔巻”が一般的です。
冒頭でも書いたように、生魚を食べる習慣がない&手に入れずらい国では、野菜やお肉を使ったなんちゃってお寿司が人気です。
よく作った具材は、スモークサーモン+クリームチーズ、照り焼きチキン、ツナマヨ。
以前ブラジルの友人が「アボカドフライロールが大好き!」と言っていたのですが、もはやどんなものなのかも想像がつきません……。ひとえにお寿司といっても各々が持つイメージは様々だなと勉強になりました。
【まさかのメニューが不評】
最後に反応がイマイチだったメニュー(食材)をご紹介します。
・出汁巻き卵
茅乃舎の出汁を効かせたふわっふわの自信作の卵焼き。
日本人なら感動必須の味付けで満を持して出したもののスペイン、ドイツの友人から「味がぼやけているね……」と言われ撃沈。
繊細な味付けよりも、ソースや醤油でバシッとパンチが効いた味の方が好まれるのでしょうね。
・海苔
これは意外でしたが、海苔が苦手な人も多かったです。
まず、日本人のように海藻を食べる習慣が無いこと。そして真っ黒な見た目と、紙のような質感に「うげっ」となるのだとか。あのパリパリの食感と香ばしさが最高なのに……!
でも、おもしろいことに、カリフォルニアロールのように内側に巻き込んで、海苔が見えずにしっとりすると食べられるので、見た目が問題なのかもしれません。
【結局は日本人と変わらない?】
今回ご紹介したベスト5は、どれも日本人にも人気のメニュー。
もし今後、外国の方にお店選びや手料理を振る舞う機会があったら、喜ばれるのは高級料亭のような繊細な料理よりも、カジュアルな和食や「味濃いめ」のメニューを選べばきっと間違いないのでぜひお試しあれ~!
執筆・撮影:香月実穂
Photo:(c)Pouch
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