【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのは「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズの最新作『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021年8月13日公開)です。

前作『スーサイド・スクワッド』のデヴィッド・エアー監督から、なんとマーベルコミックの映画化作品『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督にバトンタッチ。

前の監督には申し訳ないのですが、これが大大大成功! ジェームズ・ガン節が冴えわたる最高に面白い作品になっています! では物語から。

【物語】

極悪受刑者から選ばれた特殊部隊「スーサイド・スクワッド」。ミッションに成功すれば減刑だが、裏切ったり、逃げたり、失敗したら首の後ろに仕込まれた爆弾のスイッチを押されて即死!

そして今回のミッションは、独裁国家から地球を守ること。どうやらそこには地球外生物がいるらしい。さっそく乗り込んだスーサイド・スクワッドのメンバーだけど、凶悪だったり、メンタルがやられていたり、ひねくれていたり、陰キャだったりとまったく一致団結ができないのです。

【ハーレイ・クイン筆頭に魅力的な悪人たち】

ひと足先に試写で鑑賞させていただきましたが、本当に最高に面白かったです! まずキャラクターがいい。女子人気の高いハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)はあいかわらずド派手でキュートで怖いもの知らずなのに加え、みんな必殺の武器があるんです。

ブラッド・スポート(イドリス・エルバ)は周りの物をすべて凶器にするスナイパー。ラット・キャッチャー2(ダニエラ・メルキオール)はネズミ使い。ピースメイカー(ジョン・シナ)は平和のために暴力を振るう(!?)超マッチョな射撃の名手。

ポルカドットマン(デヴィッド・ダストマルチャン)は水玉を発して敵を粉砕する能力。そして人食いサメ人間のキング・シャーク(声:シルベスター・スタローン)など、彼らが要所要所で持ち前の武器で独裁国家の悪人どもと闘うのです。

そのバトルシーンはエキサイティングでかっこいいんですが、その一方、緊張感のある場面での、くだらなくてイカれた会話が最高におかしい!

マジメに話し合いができない、すぐ脱線するこのユーモアの見せ方は、ガン監督作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と一緒です。

【ジェームズ・ガン監督の才能が溢れすぎる!】

コミカルなシーンが話題になりがちですが、ガン監督の映画作り、実は手堅い。個性的なキャラクターが大勢登場するにもかかわらず、それぞれに見せ場とキャラの背景もきっちり描き、ちゃんと観客に感情移入させるところがすごいです。

ラット・キャッチャー2がなぜネズミを愛するのか、ポルカドットマンがなぜ水玉を放つ男になったのかのエピソードなんて、ちょっと感動しちゃいますから。

ウケ狙いではなく、監督自身がちゃんとキャラクターに愛情を注いでいる。だから全員魅力的だし、変人ぞろいだけど、みんな輝いているんですね。

【前作見ていなくても無問題!】

ちなみに前作の『スーサイド・スクワッド』を見ていなくても大丈夫です。冒頭で「スーサイド・スクワッド」の誕生の裏側、メンバー集めと彼らの任務などが実にテンポよく語られ、すっと映画の世界に入っていけますから。

楽しいセリフとスピーディな展開、次々出てくるキテレツなキャラクターと激しくなっていくアクションなど一瞬たりとも目を離せないし、まったく飽きない2時間強。

ガン監督の引き出しの多さにはビックリ。さすが、マーベルコミックとDCコミックの両方で映画を作っちゃった男です!

コロナ禍が続く昨今、大いに笑ってスカっとできる『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』この夏いちばんおもしろい映画だと断言します!

執筆:斎藤 香 (c)Pouch

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
(2021年8月13日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
監督・脚本:ジェームズ・ガン
出演:マーゴット・ロビー、イドリス・エルバ、デビッド・ダストマルチャン、ダニエラ・メルヒオール、ジョン・シナ、ジョエル・キナマン、マイケル・ルーカー、ジェイ・コートニー、ヴィオラ・デイヴィス/シルベスター・スタローン(声の出演)
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