『魔女の宅急便』シリーズや『小さなおばけ』シリーズなど、国境や世代を超えて愛される作品を手がけてきた角野栄子さん。
児童文学作家として活躍するいっぽう、エッセイ集も数多く出版しています。
最新作となるショートエッセイ集『おいしいふ〜せん』のテーマは “食” です。増刷もされた、気になる本の中身をちょっと覗いてみませんか……?
【どんな本?】
2023年11月7日にNHK出版より発売された『おいしいふ~せん』(税込み2035円)。
著者の角野さんは御年88歳! 過去から現在までの日々を、 “食いしん坊日記” と称した56のエッセイにつづっています。
目次には興味深いタイトルでいっぱい。そのひとつひとつを辿っていくと、
・たんぽぽの汁を吸って亡き母を想った子ども時代
・弟と1個の卵を分け合った戦時下
・初めての味に驚きの連続だったブラジル生活
・『魔女の宅急便』の読者から届いたゆすらんめのジュース
といったお話が待っています。
たんぽぽの汁って、どんな味なんだろう。ゆすらんめのジュースってなあに。そんなふうに思いを馳せながら、1編ずつ大切に読みたくなっちゃいます。
【イラストも可愛らしい!】
角野さんならではのユーモアと温かみにあふれる文章もさることながら、オールカラーで仕上げた手描きイラストも必見です。
遊び心に溢れた、親しみと愛嬌を感じる装丁。可愛らしいサイズ感。そのすべてに、多くの人が心癒やされることでしょう。
何度でも手に取りたくなるし、プレゼントにしても喜ばれそう!
【お守りがわりに持っておきたい】
おいしい食べ物を通して、角野さんが辿ってきた人生に触れ、何気ない毎日の愛おしさに気がつき前向きになれる1冊。発売から間もないのに、すでに増刷も決定(!)したらしく、人気のほどがうかがえます。
増刷にあたり、角野さんは
「『いいことありそね、いいことありそな』いつもこうつぶやきながら、散歩のように暮らしています。そしてこのエッセイを書きました」
とコメントしています。
角野さんのように軽やかな気持ちになれそうなエッセイ集を、本棚に加えてみてはいかがでしょうか。
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