【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、オススメレビューをします。

今回ピックアップするのは人気シリーズの最新作『コンフィデンスマンJP 英雄編』(2022年1月14日公開)です。

2018年4月期のテレビドラマで人気を博し、2019年に第1作目の劇場版が公開された本作のシリーズ。1作目はもちろん、2作目も大ヒット! そしていよいよ第3作目が公開です。

第1作目は香港、2作目はランカウイ島(マレーシア)でロケを行い、劇場版らしい大掛かりなトリックで魅了してきた本シリーズ。今回はヨーロッパのマルタ島でロケを敢行。お先に試写で見せていただきましたが、今回も見事に騙されました! では物語から。

【物語】

英雄と言われていた伝説の詐欺師・三代目ツチノコ(角野卓造)が亡くなり、彼のもとで詐欺師としての腕を磨いてきたダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)。3人は、コンフィデンスマンの憧れ「ツチノコ」の称号をかけて真剣勝負を行うことに。

舞台はマルタ島の都市ヴァレッタ。今回のターゲットは、スペイン人の元マフィア、ジェラール・ゴンザレス(城田優)が所持する幻の古代彫刻「踊るヴィーナス」。これを誰が最初に手に入れるか……初めて詐欺師バトルを展開していく。

【マルタ島で弾ける3人対決が楽しい】

『コンフィデンスマンJP 英雄編』、今回もめちゃくちゃ楽しかったです! 常に協力してきた3人が、詐欺師バトルという設定が大正解。

これまでダー子がリーダーとして活動してきたので、ダー子優勢かと思ったら、ボクちゃんが先制! 先にスペイン人のゴンザレスの懐にもぐり込んでいて、ダー子が焦るという展開が意外です。

リチャードは裏で暗躍。「リチャードの本当の顔を私たちは知らない」というダー子の言葉に、もしやリチャードが四代目ツチノコ?と思ったりして。

スペイン人の周りで3人が、やんやとにぎやかに詐欺合戦を繰り返す姿は、微笑ましいです。

【濃い~キャラが続々登場】

そして今回も濃い新キャラが続々登場。特に注目してほしいのが3名です。

まずスペイン人のゴンザレスを演じる城田優さんは、その濃いマスクと語学力を活かして英語とスペイン語を駆使して熱演!

もうひとりは、インターポール(国際刑事警察機構)の捜査官・マルセル真梨邑。彼を演じる瀬戸康史さんは、英語、フランス語を駆使して、ダー子たちと見事な対決を見せてくれます。、頭脳明晰でかっこいいけど、いけ好かないマルセル……最高!

そして、ダー子たちを逮捕しようと日本から追いかけてきた丹波刑事役の松重豊さん。ルパン三世を追いかける銭形刑事そのもので、めちゃくちゃしつこくて良かったです。

【スタアとジェシーは永遠!】

『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019)『コンフィデンスマン JP プリンセス編』(2020)で大活躍したスタア(竹内結子)とジェシー(三浦春馬)は、この映画でも存在しています。

竹内結子さんと三浦春馬さんの姿を劇中で見ることはできませんが、二人を讃える素敵なセリフがあるんです。「スタアとジェシーは『コンフィデンスマンJP』の中で永遠なんだ」と、2人へのスタッフの愛と尊敬にグっときました。

スタアとジェシーを演じられる役者は、2人以外、この世界には存在しません!

ネタバレ厳禁なので、詳しくご紹介できないのですが、魅力的な登場人物は他にもいます。ぜひ映画を観て、楽しくスカっと騙されてほしい。ちなみに連ドラや前作を観ていなくてもOKなのでご安心を。本作を観たら、前作やドラマも観たくなる可能性は高い! それくらいヤミツキになるシリーズです。

執筆:斎藤 香(c)Pouch

コンフィデンスマンJP 英雄編
(2022年1月14日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
監督:田中亮
脚本:古沢良太
出演:長澤まさみ 東出昌大 小手伸也/小日向文世
松重 豊 瀬戸康史 城田 優 生田絵梨花
広末涼子 織田梨沙 関水 渚 赤ペン瀧川
石黒 賢 梶原 善 徳永えり 高嶋政宏 生瀬勝久
真木よう子 角野卓造 江口洋介

※高嶋政宏さんの「高」は正しい文字が環境により表示できないため、「高」を代用文字としています。
(C)2022「コンフィデンスマンJP」製作委員会