[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回のピックアップは10月1日公開、ジャスティン・ティンバーレイクとミラ・クニス共演のラブコメディ『ステイ・フレンズ』です。セフレの男女の微妙に変化していく心をシャープ&ユーモラスに描いたラブコメディ。ミラ・クニスはダーレン・アロノフスキー監督作『ブラック・スワン』でライバルのリリーを演じて脚光をあびた、次世代スター女優です。

しかし、セフレのふたりの心の変化を描く物語って……。こういう映画、前にもあったと思いませんか? そうですpouchでも紹介したナタリー・ポートマン主演の『抱きたいカンケイ』です。

ナタリーとアシュトン・カッチャーが共演したこの映画は、過去のトラウマから本気の恋に飛び込めない女と恋多き男のセフレ関係から始まる恋の映画でした。そして本作は、ヘッドハンター(ミラ)に転職を斡旋されたアート・ディレクター(ジャスティン)が、お互い失恋したばかりということもあって「恋愛なし、感情なし、セックスだけ」と約束をしてセフレ関係を開始! 登場人物の抱える事情は異なるものの、展開はほぼ似たようなものです。が、しかし、本作のセリフはストレートでビックリ!

「無性にセックスしたくならない?首を鳴らすように」
「セックスはテニスと一緒。プレイの後は握手して終わり」

かなりあけすけです。またセックスシーンもキュートでラブラブな様子だった『抱きたいカンケイ』に比べ、笑いももたらす本作。絶頂に達すると出るクシャミ、お互いが必殺技を繰り出す、下ネタもありなど、まるで野獣です。でもティンバーレイクとクニスのカップルはお似合いで、まさにテニスのラリーのような会話のテンポは気持ちいいほど。

「このふたりのケミストリーは奇跡だ。キャサリン・ヘップバーンとスペンサー・トレイシーの映画のような大人のラブコメを作りたくて、ふたりのキャスティングを熱望したんだが、実現できた僕は宝くじに当たったようなものだね」と、ウィル・グラック監督は喜びを隠しきれないように語っています。

しかし、この映画、米国ではレビュー評価も上々ながら、かなり周辺をにぎわした映画でもありました。ジャスティン・ディンバーレイクとミラ・クニスが恋愛関係にあると噂が上がったのです。

ふたりは「兄妹みたいなもの」「友だちですよ」と公式に否定していたのですが、なんと! ミラの携帯の画像がハッキングされネットに流出。そこにはふたりの否定しようもない画像が……。ハリウッドセレブを連続して狙うハッカーたちの仕業で、映画と同じような関係が暴露されてしまったというニュースが世界を駆け巡りました。

まあ、そんな噂も明日から日本公開される本作にとっては、いいプロモーションになりそうですけどね。ちなみに、スノーボーダーとして有名なショーン・ホワイトが本人役で出演。本人役なのに、いけすかない男なのでちょっと心配してしまうほどです。こちらも注目!

(映画ライター=斎藤香

『ステイ・フレンズ』
10月1日公開
監督:ウィル・グラック
出演:ジャスティン・ティンバーレイク、ミラ・クニス、パトリシア・クラークソン、ジェナ・エルフマン、ブライアン・グリーンバーグ、リチャード・ジェンキンス、ウディ・ハレルソン、ショーン・ホワイトほか
© 2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.