素焼きでできた、大きなお鍋のような道具。さて、これは一体なんなのでしょうか。「Eliodomestico」という名のこの道具は、なんと自然の原理を利用して水を蒸留する浄水器なのです。
お鍋の蓋のような鉄製の上面に、太陽光を当て加熱することで発生した蒸気。それが、下に伸びる導管を通って、日陰で冷えた下部の容器に落ちて結露するというのが、浄水器の仕組み。
通常の浄水システムの場合、浄水することができるのは1日3リットルが限界で、しかも、コストもおよそ7700円かかります。しかし、このやり方を採用すれば、海水や汚水から1日5リットルもの飲料水を作ることが可能になるのです。
この浄水器は、主に発展途上国に向けて作られました。使用される場所を考慮したからなのか、素焼きのボディーに鉄の上蓋とは、いかにも自然素材を多用しているという雰囲気です。だけど、利便性を最優先に追求した割には、なんだかデザインがオシャレすぎるような気もします。
それもそのはず。この浄水器は、イタリア・ミラノのインダストリアルデザイナー、ガブリエル・ディアマンティ氏が、かの有名ブランド「エルメス」のエルメス財団より命を受けて作った品物なのです。素朴でありながら気品漂うテラコッタ色の浄水器をみれば、その背景にも納得です。
エコでありながら、オシャレなデザインも兼ね備えた、「Eliodomestico」。物欲が刺激されてしまう一品です。
(文=田端あんじ)
参考元:gabrielediamanti.com(http://goo.gl/PmVfF )
▼まず海水を入れます
▼太陽光に当ててしばらく待つと
▼下から浄水された水が!
▼持ち運びはこの方法じゃなくても大丈夫だと思います
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