アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、アレクサンドラ・ディロン(Alexandra Dillon)さんは、絵描きであり彫刻家。ほかの絵描きと違うところは、キャンバスにしているものが極めて独特であるという点です。

ディロンさんがキャンバスにしているのは、アーティストたちから寄贈された使い古しの絵筆古道具など。これにさまざまな肖像画を描いては、この世に2つとないユニークなアート作品を生み出しています。

絵筆やスコップ、刃物や南京錠など、さまざまなものに描かれた顔はどれも印象的で、時間を忘れて見入ってしまうんですよね。

【キャラクター自身が「自分が何者なのか」教えてくれる】

描かれる顔のインスピレーションの源は、その昔ミイラとともに埋葬された「ミイラ肖像画」や、ヨーロッパの優れた画家たちが描いてきた絵画など。

ディロンさんのホームページによれば、それぞれのキャラクターは小説家が小説を書くときのようにイメージが舞い降りてくるらしく、キャラクター自身が “自分が何者であるか” を説明してくれるのだそうですよ。

【人と同じように、それぞれ個性があるんだね】

海外サイト「Bored Panda」がディロンさんに行ったインタビューによれば、1つの作品を制作するのにかかる時間は数日間、とのこと。

「作品の魂が “顔” を作り、変化を重ねて、完全な “自分自身” として成長します。それぞれのキャラクターの感情や個性を見つけ出せたとき、作業が終わるのです」と話しています。

【作品作りは「新しい友人に出会う」こと】

ディロンさんにとっての作品制作は、新しい友人と出会うのと同じようなもの。「キャンパスの上に肖像画を描くよりも、いろいろな道具にキャラクターを描くほうが楽しい」と「Bored Panda」に語っています。そんな作品づくりへのワクワク感は、完成した作品からもにじみ出ているように感じられます。

ふと目が合うと、ドキッとする。眺めているうち、各作品に自然と親近感を抱いてしまうのは、きっとディロンさんならではな制作過程にあるのでしょうね♪

参照元:Alexandra DillonInstagram @alexandradillonartistBored Panda
執筆=田端あんじ (c)Pouch