オランダ・アムステルダムを拠点に創作活動をするカエタン・オバルスキ(Kajetan Obarski)さんは、フリーランスのアニメーター。仕事のかたわら、InstagramなどのSNSに自作のショートアニメを投稿し続けているようなのですが、どれもこれもシュールでブラック! いちど見始めたら最後、クリックする手が止まらなくなっちゃうんです。

カエタンさんは、すでに知的財産権が発生していない状態、または消滅した状態にある「パブリックドメイン」の絵を作品に用いています。

ジャン=フランソワ・ミレーに、フランシスコ・デ・ゴヤ、ルネ・マグリットなど有名画家の作品にちょちょいと手を加えて出来上がったアニメーションは、中毒性高し予想だにしない結末を迎えるものも多く、思わず「えええええ!!!」と叫んでしまう恐れもありますので、観る際にはどうぞお気をつけて。

【病みつきになるブラック加減】

さて……ブラックなアニメと一口に言っても、一体どれくらいブラックなのか? みなさん気になりますよね。

たとえば鍋で何かを煮込んでいる女性がいるな~と思って見ていたら、鍋の中から子供の腕が出てきたり。海を眺めているカップルがいるな~と思ったら、巨大魚にいきなりガブッと食べられてしまったり。新年を祝うべくカウントダウンしていたら、「ゼロ!」の瞬間に、宇宙にいる天使たちに地球まるごとぶっ壊されちゃったり……。ね? どれをとってもブラックでしょう?

【ミレーの名作がヒドいことに(笑)】

中でも、ミレーが1861年頃に制作したとされている『馬鈴薯植え』をフィーチャーしたアニメのヒドさは、群を抜いています。

じゃがいも(馬鈴薯)を土に植えようとする農夫の手には、鍬(くわ)……ではなく、なんとゴルフクラブが握られており、次から次へとゴルフボールを打ちまくる。打ったボールは周囲にいた人々にヒットして、みんな頭から血を流して倒れてる~!

ようやくうまくボールを打ち返す人が現れたと思ったら、今度は打ち返したボールがどこまでもどこまでも飛んで行って、やがて人が体ごと吹っ飛ばされて彗星になっちゃうし……。えーと、何を言っているかわからないと思うのですが、ホントにそういう結末の作品があるんですよ。いや、マジで。

【作者にとってのライフワークなんだって】

海外サイト「Mashable」がカエタンさんに行ったインタビューによれば、ショートアニメの制作を始めたのは10年前で、SNSに投稿し始めたのはほんの1年前とのこと。自分自身の喜びのためにほぼ毎日アニメを制作しているらしく、アイデアがありすぎて「人生はなんて短いんだ!」と思う日々なのだそうです。

いつだってもっといいものを作りたいと思っているカエタンさんにとって、特別気に入っている作品はないのだとか。「ライフワーク」と語る、シュールでブラックなショートアニメをたくさん観たいという人は、さっそくInstagramをご覧になってみてくださいっ。

参照元:Instagram @kiszkiloszkiMashable
執筆=田端あんじ(c)Pouch