シカゴ郊外に住むとある女性が、自宅の庭に捨てられていた箱を発見。中をのぞいてみると……なんと、ひどく弱った状態の子猫が入っているではありませんか。

驚いた女性があわててその子猫を動物病院の緊急外来へ連れていくと、首に怪我を負っていることが判明。すぐさま手術を受けることになったのです。

【思いがけない出会い】

首の手術を受けた翌日、全身の健康状態をチェックするために精密検査を受けることになった子猫は、その病院で獣医師をしているエリス・ホール(Elise Hall)さんと出会いました。

海外サイト「Love Meow」がエリスさんに行ったインタビューによると、子猫は最初「はずかしがり屋でおとなしい子」に見えたそう。ところがその日のうちに子猫はどんどんやんちゃになり、元気に遊び回るようになっていったといいます。

600グラムにも満たない体に、こぼれ落ちそうなおめめとあふれんばかりの活力。そんな“ちょっと普通じゃない”この子猫に、エリスさんはすっかり魅せられてしまいました。

そうして気がつけば、診療の合間をぬって何度も子猫の様子を見に行っていたのです。

【子猫を一時預かることに】

元は捨て猫である子猫には“一時預かり先”が必要でしたが、エリスさんの様子を知っていた病院のスタッフは、満場一致でエリスさんを推薦。

こうして健康状態が良くなるまでエリスさんと暮らすことになった子猫は、その大きな瞳から『スター・ウォーズ』シリーズに登場するまんまるおめめのキャラクターにちなんで「ポーグ」と名付けられました。

【“ずっと一緒”の家族に】

ところがエリスさんに引き取られてすぐに、ポーグが「エーラス・ダンロス症候群」という、遺伝性の皮膚病に侵されていることがわかりました。これは猫の場合、毛づくろいをしようと耳や首元をかいただけでも皮膚が裂けてしまうという難しい病気です。

それがわかったとき、エリスさんは「ポーグを家族として迎え入れよう」と決意しました。

ポーグに有効な治療法を探りながら定期的にケアができるのは、獣医であるエリスさんだからこそ。エリスさんとポーグの出会いは、やはり運命だったのかもしれません。

【スクスク育っています♪】

エリスさん一家の献身的なケアと愛情を受け、ポーグはスクスクと成長しています。皮膚に傷を作らないよう、いつも洋服を着ているポーグですが、それがまたなかなかにスタイリッシュ!

ポーグのチャームポイントである大きな瞳も、病気の影響を受けていますが、毎日の点眼が功を奏して症状をコントロールできているのだそう。

いつも遊び回っていて、おやつが大好きで、エリスさんのひざの上ではゴロゴロとのどを鳴らしながら、まあるくなって眠るポーグ。これからも生まれや病気に負けない元気で、いっぱいの愛情に包まれた毎日を過ごしてほしいです。

参照元:Love Meow, Instagram @porg_the_glass_kitten
執筆=森本マリ (c)Pouch