今年2019年4月から始まった「働き方改革」。9月で半年が過ぎましたが、人々の働き方に変化はあったのでしょうか?

転職エージェント「ワークポート」が264名を対象に行った「働き方改革に関するアンケート」によると、「自分の働き方は変わったか」という質問に対し「改善された」と答えた人よりも「悪化した」と答えた人のほうが多かったというのです……!

【「働き方改革」で会社の制度は変わったけど…】

まず、働き方改革以降、「自身の勤める会社の制度やルールに変更があったか」という質問に対し、「あった」と答えた人は40.5%。「なかった」と答えた人は36.0%で、両者はかなり拮抗していることがわかります。

変更された点としてあげられていたのは、「22時以降の残業が禁止に」「フレックス制とテレワークが導入された」「有給取得推進のアナウンスがあった」など。

ほかにも会議の回数が減ったり、退勤時刻になると部屋の電気が自動的に消えたりと、企業によってさまざまな変化があったのはたしかなようです。

【実際の働き方は悪化した?】

しかし、「自分の働き方は変わったか」という質問に対して、「改善された」と回答したのは10.2%、「変わらない」と答えた人が73.1%、そして「悪化した」と回答した人は16.7%。

「改善した」よりも「悪化した」の方が6.5%上回っていることがわかります。

【「働き方が悪化した」人の意見がツライ】

こうしてみると、会社のルールは改善されていることが読み取れるのに、一体なぜ「働き方が悪化した」と回答した人の割合が多いのでしょう?

「悪化した」という人の意見を見てみると……。

仕事量が減らないのに残業時間削減を迫られるため、定時までに仕事を終わらせろというプレッシャーが強まりかえって苦しくなった(20代・男性・システムエンジニア)
・自動で社内の電気が消えても、つけ直して仕事を再開するのが日課になっている(30代・女性・公務員)
・パソコンが強制的にシャットダウンするため残業時間は減ったが、その分自宅へ持ち帰っての無給作業が増えた(30代・男性・営業)
・必要な仕事を当日中に片付けられず、仕事の持ち帰りやサービス残業が増えた(30代・男性・営業)
・労働時間の短縮ばかりを考え、業務が雑になっている(30代・男性・その他)
・部下の残業を抑えるために自分が過重労働になった(30代・女性・接客販売)

といった声が。

【ルールだけが変わって業務にはしわ寄せが?】

会社のルール、とくに残業や仕事時間についてのルールが変わったことで、あらゆる部分に “しわ寄せ” が来ている模様。

勤務時間は減っても仕事量は変わらないので、時間外に仕事をしたり、一部の人が過重労働になったりしている現実があるようなんです。

みんなが「改善された」と思えるには、表面的ではなく根本的な改革が不可欠。この点が今後解決されていくことを願うばかりです。

参照元:プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch

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