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年末にモーリシャス共和国に行ってきました。旅行に出る前に「モーリシャスってどんな国? 『日本と言えば、寿司・富士山・天ぷら・温泉・サービス精神……』と語るように『モーリシャスと言えば……』と言えるものが知りたい!」と思っていろいろと調べたのです。

しかし、情報が足りずに実態がなかなかつかめず。結局、どんな国かわからないままモーリシャスに出かけてしまいました。

ハネムーナーなどにも人気のモーリシャス。モーリシャスについて知りたい人もいるかもしれませんので、モーリシャスに行ってみて気付いた「モーリシャスと言えば○○」を一気に紹介しちゃいます。

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モーリシャスはアフリカ大陸の近くにある小島。沖縄本島より少し大きいくらいのサイズです。ではさっそく紹介しましょう。

■モーリシャスといえば「ビーチ」

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「神はモーリシャスを最初に創り、そしてモーリシャスを真似て天国を創った」と『トム・ソーヤーの冒険』の著者として知られるマーク・ トゥエインに言わしめたモーリシャス。本当に美しい島です。周囲を珊瑚礁に囲まれていて、「レースに縁取られたようだ」と称されていることからもわかるように、天然の白浜が続くのです。島中あちこちに、ガイドブックに載っていない非常に美しいビーチがあります。

モーリシャス旅行をする方へ

ガイドブックには「ブルーベイがモーリシャスで一番きれいな公共の海水浴場」と書いてありますが、その他のビーチも本当にきれいです。記者は、ベルマールのビーチが好きでした。

■モーリシャスといえば「3カ国語」

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レストランのメニューは英語で書かれ、オーダーはフランス語で行ない、家族同士はクレオール語で話す。これ、モーリシャスでは珍しくない光景です。学校教育はフランス語の時間以外はすべて英語。教科書は英語で書かれ、先生も英語で指導します。しかし、日常的に使うのはフランス語とクレオール語。ちょっと改まった場では人々はフランス語で話し、家族や親しい人とはクレオール語で話すのです。記者の親戚の8歳の男の子も、ちゃんと英語、フランス語を理解していました。この語学教育と、勤勉な姿勢のために、モーリシャス人は世界のあちこちに仕事に出かけていきます。

モーリシャス旅行をする方へ

教育を受けている人であれば、英語はたいがい通じますが、モーリシャスはイギリス英語です。階数の数え方とか、単語がちょっと異なりますので注意が必要です!

■モーリシャスといえば「あつい信仰心」

モーリシャス宗教
ヒンズー教
現地の人の住む場所をよく見ると、小さな祠がある家がたくさんあります。その祠はヒンズー教のものだったり、キリスト教のものだったりと、さまざま。街中にはヒンズー教の色鮮やかな寺院やキリスト教の教会、イスラム教のモスクがあり、朝晩にコーランの朗読が聞こえてきたり、街中でヒンズー教の儀式の行列に遭遇したりします。

■モーリシャスといえば「ハーモニー」

モーリシャスの民族構成は、インド系が68%、クレオール(白人と黒人の血を引く)が27%、中国系が3%、フランス系が2%。多民族国家です。多民族、多宗教国家は多くの場合、紛争が起こりやすかったりしますが、モーリシャスの場合は例外。ハーモニーを保って生きているようです。ヒンズー教の祠のある家のお隣に、キリスト教の祠がある家があったりして、うまくやっていっているようです。現地の人によると、ハーモニーが崩れるのは、選挙時とのこと。各候補者が、人種や宗教の違いを協調して得票しようとするために、ギスギスしてくるそうです。

■サトウキビ畑

モーリシャスサトウキビ畑
アフリカ大陸にほど近い小島だから、砂漠のように茶色い大地が続いているのかと思いきや、島の大部分は青々としています。18世紀にフランス人によってサトウキビのプランテーションが行なわれたため、サトウキビ畑が広がっています。サトウキビから作られるラム酒も有名です。

モーリシャス旅行をする方へ

ラム酒工場は「シャマレル・ラム・ファクトリー」が有名で、非常に美しい建物で勉強になり、レストランも素敵ですが、観光客用の施設のためラム酒も割高です。同じ種類は手に入らないかもしれませんが、周りのスーパーで買う方が安いです。ちなみに、ワインは高級ホテルや専門店以外では保管状態が悪いのでマズイです。ビールは地元フェニックスビールがおすすめ。

■モーリシャスといえば「衣料品」

モーリシャス戦利品
モーリシャス洋服屋
サトウキビ栽培のモノカルチャー経済から脱却を図って進められたのが繊維産業。ヨーロッパのブランドの製品がモーリシャスで作られているそうで、きちんと買う場所や物を選べば高品質なものを非常に安く買えます。

モーリシャス旅行をする方へ

よくガイドブックに書いてある「フローレアル」は、冬物を買うには良いのですが、現在は閑散としていて品数も少なく高いです。バガテルやコーダンなど、大型のショッピングモールで買うと、値段は日本よりも少し安く、品質も安心。冒険をしても良い、または洋服の質を見極められる場合は、キュールピップやローズヒルにある、現地の人用の服屋さんで買うと、非常に安く高品質なものが買えます。

■モーリシャスといえば「おいしい食べ物」

モーリシャス食べ物
日本人と同様に食いしん坊で他国のおいしいものを積極的に取り入れるフランス人が入植していただけあって、食べ物がおいしいです。インド系の人が多いので、ソウルフードとしてインドカレーがよく食べられていますが、中華料理も人気です。

モーリシャス旅行をする方へ

現地の人のおすすめの中華料理は、キュールピップのショッピングセンターにあるCHINというお店。いつも現地の人でにぎわっています。

■モーリシャスといえば「『アフリカ』が買える」

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さすがアフリカ大陸のお隣にあるモーリシャス。マーケットでマダガスカルの民芸品が買えたり、南アフリカ産のダイヤモンドが通常の1/3程度の金額で買えたりします。

■モーリシャスといえば「エコ・コンシャス」

モーリシャスのエコ
窓がないボロボロの家でも太陽光式温水器を使っていたり、火力発電所がサトウキビの刈り取りシーズンには化石燃料の代わりにサトウキビのゴミを燃やしていたり、さまざまな海外企業が参入して太陽光発電を進めようとしていたりと、モーリシャスでは経済的な事情をうまくエコにつなげようとしています。ただし、一部の頭の良い人がうまく進めようとしているのであって、ゴミの分別などはまだまだ課題があるそうです。

■金融

繊維産業以上に最近伸びているのが金融業。モーリシャスはいわゆるオフショアやタックスヘイブン(租税回避地)の一種とのこと。多民族国家をうまく生かした外交をしているらしく、インドや中国、アフリカ諸国などと租税条約を締結して、モーリシャスの会社が有利に投資をできるようにしているそうです。その影響か、あちこちに投資を促す広告が出ていました。

■やはり高級リゾート地

モーリシャス ヘリポート
モーリシャスは国を挙げて観光地としてのブランディングを行なっており、イメージは「ラグジュアリー&洗練」。1泊最低7万円から、というホテルもゴロゴロしております。そのブランディングは、そういった高級ホテルに泊まらなくても、あるものがたくさんあることで気付きます。なんと、あちこちにヘリポートがあるのです。ショッピングモールにも、山にあるちょっと素敵なレストランにも。超高級ホテルに泊まるお客さんは、車で30分も走るならヘリに乗ってしまう、という人もたくさんいるそうなので、きっと必要なのでしょう。お金持ち、恐るべし!

モーリシャス旅行をする方へ

ヘリポートのある、山中のちょっと素敵なレストランは、Varangue-Sur-Morne。予約をしておくと、非常に見晴らしの良い場所で食事をすることができます。

いかがでしょうか。治安も良いし、高級リゾートではなく1泊二人7,000円くらいのところでもプールやWi-Fiが使えたりとリゾートとして十分楽しめるので、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。

(取材、写真、文=SayakaFelix

イタリアTrentino-Sydtyrolモーリ