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日々、健気に生きる乙女諸君をダメ男から守るべく、Pouch編集部のライターたちが「ダメ男体験記」をつづるこのコーナー。前回は、記者(楠木サンダル)の「乙女チックすぎる男」をご紹介しました。

今回は、井上こん記者が遭遇した「彼女をホテルの部屋から閉め出す男」の生態をお伝えします。

幸運にも、これまでイイ男としか付き合ったことがないというアナタは、そのままハッピーな人生を突き進んでくだされ! ぱねえダメ男と付き合ったことがあるというアナタは、ぜひこちらから体験談を教えてくだされ! では、本日のダメ男、行ってみよぉ~!

【井上こん記者のダメ男体験記】

2年前のこと。私は40歳バツゼロのHと付き合っていました。

40歳という年齢の割に融通の利かないところが多々あり、今思えば社会的立場もありながら40歳まで未婚なのも納得なのですが、当時は「恋は盲目病」により見抜けなかったんですね……愚かな私。

私たちは東京ドームで野球観戦することが多く、その日もデイゲームを大いに楽しみました。その後、ドームホテルの部屋に戻ってきたときにHが一言。

H:「ちょっと寝てもいい?」
私:「うん。あ、私、野球を観ていた間に仕事の留守電が結構入ってたから、下のラウンジ行って仕事してくるねー」
H:「……うん」

ラウンジで1時間ほど仕事をしてから客室フロアに戻り、部屋のチャイムを押しました。が、応答なし。あれ、爆睡しているのかな? と携帯を鳴らしますが、電源が入っていない。

ここらで胸がザワザワしてきました。後ろを通る人たちにじろじろ見られながら部屋のチャイムを鳴らし続けますが、一向にドアは開きません。本来ならさっさと自宅に帰ってしまいたいところですが、その時は部屋の中に荷物諸々を置いてきていたため、困り果てた私はフロントから部屋の電話へ繋いでもらいました。

(トゥルルルル)
H:「はい」
私:「あ、もしもし、私だけど」
(ガチャ!!!)

(……!!! ガチャ切りした? 今完全にガチャ切りしたよね!? このやろー! またかけてやる!)

(トゥルルルル)
H:「……はい」
私:「ガチャ切りされるようなことしたような覚えはありませんが」
H:「……オレを部屋に置いていくなんて彼女としてありえない。部屋にひとりで残される気持ち分かる?」
私:「……(分からない! 全然分からないべよ!)」
H:「ショック。愛してくれないなら別れる。荷物はフロントまで届けさせるから来ないで。もう連絡もしないで」
私:「……(思考回路が意味不明だべよ! あーめんどくさい! とりあえず荷物が返ってくるならいいか)」

いまだ腑に落ちませんが、とにかく私はフラれました。これ以上なく鮮やかに。しかしですね、Hはやはり曲者でした。というのも「別れた」のち、「やっぱり夏は沖縄に旅行行こうか♪」「お前しかいない」などなど、まぁメールが来るわ来るわ! 私は部屋から閉め出された時点でHへの愛情が消え失せていたので、これらのメールにはもちろん応えず。

実は、Hと結婚の話をしていたため、理不尽な理由とはいえあのときフラれて良かったです、本当に。友人情報によると、カレは今も未婚だそう。

執筆=井上こん、楠木サンダル / イメージ画像=Pouch (c)Pouch