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我々は日々、「自然界のものに直接触れる」という行動を避けるよう、生活しています。意識していようといまいと、ね。

「たとえば、第2の皮膚として衣服を着たり、肌の上にメイクを施したりする。足の裏で直に、柔らかな砂に触れることもない。殺菌製品を利用し、自然界におけるあらゆるかけらを殺している」

この、イスラエルのインダストリアルデザイナーLee Ben Davidさんが挙げた数多の例、たしかに言われてみればそうなのよね。文字どおり、裸になって、世界と触れあう。時代が経過するのと共に、私たちはそういったことから、どんどん遠ざかってしまっているのかもしれません。

奇妙なかたちばかりのカトラリー

これらは致し方のないこと、しかしそれでは、あまりに退屈なのではないか。そう考えたLeeさんが制作したのが、本日ご紹介するカトラリーセット、「Very Specific(ベリー・スぺシフィック)」。一見フォークやナイフ、スプーンに見えるけれど、よく見るとそうではない……? それぞれ不可思議なフォルムを持つこれらの用途、ちょっぴり気になりますよねぇ?

【 “不必要” な道具を敢えて作った理由とは?】

Leeさんによれば同アイテム、特定の種類の食べ物のためだけに設計されたカトラリー、とのこと。通常手で食べるもののために作られたこれらは、彼女曰く、「不必要」なもの。そういったものを敢えて具現化することで、食事をするという行為から生まれる創造性に触れてほしい、そういった狙いがあるようです。

【用途がとにかくマニアック!】

「枝豆を房から取り出すための道具」に「パスタを食べるためのフォークによく似たカトラリー」、「ピタパンを割くための道具」などなど、マニアックなラインナップを見ているだけでワクワク。たしかにこんなカトラリーが食卓にあったなら、食事の時間がより、楽しさに満ちたものになりそうっ。

残念ながら商品化はされていないようですが、手に入るなら1度使ってみたい。胸に潜んだ童心がコチョコチョとくすぐられる、非常にユニークな逸品ですね。

参照元:Lee Ben David dezeen
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼枝豆を房から取り出すためのカトラリー

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▼パスタのためだけに作られたカトラリー

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▼サラダをとりわけるためのカトラリー

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▼ミニトマトを掴むためのカトラリー

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▼ピタパンを割くためのカトラリー

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▼アーティチョークを食べるためのカトラリー

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