【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香がAmazon Prime Videoのなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。
今回ピックアップするのは香取慎吾&三谷幸喜がタッグを組んだAmazon Original ドラマシリーズ『誰かが、見ている』です。
Amazon が企画から参加して製作した日本オリジナルドラマシリーズの第1弾!
「香取くんと三谷さんのタッグならば面白いはずだけど、どんな内容?」と思う人は多いはず。そこで、第1話と第3話を視聴した本音レビューをしたいと思います。まずは物語から。
【物語】
舎人真一(香取慎吾)は風変わりで、何をやってもありえない失敗を繰り返している男。そんな彼の部屋には舎人が気づかない壁の穴がありました。
そこから舎人の生活をのぞき見していたのが、隣の部屋に暮らす粕谷次郎(佐藤二朗)とその娘(山本千尋)。二人は予測できない行動と失敗を繰り返す彼に大爆笑し、ついには勝手に動画撮影をして配信!
すると演歌歌手・レッツ大納言(稲垣吾郎)など、さまざまな人たちが舎人の周りに集まってくるのです!
【香取&三谷コンビの18年ぶりの爆笑シットコム】
本作は三谷監督と香取さんが組んだシットコム(シチュエーションコメディ)です。シットコムとは、基本的にセット内の限られた空間で登場人物が出たり入ったりして軽妙な会話とアクションで笑いを生み出していくコメディ番組(海外ドラマによくある、お客さんの笑い声とか入るアレです)。
三谷さんは18年前に「HR」というシットコムで香取さんと組んでおり、今回のシットコム挑戦は本当にひさびさ!
大人子供みたいな舎人が粕谷を筆頭にいろんな人とからんでいき笑いを巻き起こすのですが、この笑いはセリフではなく香取さん演じる舎人の珍妙な行動がポイント。香取さんが体を張ってゲスト陣とともに超ドタバタを繰り広げていくのです!
【ドジ男子・舎人とおせっかいな粕谷一家のおかしな珍騒動】
1話の冒頭から舎人の暴走は始まります。彼は働く意欲は満々なんですが、とにかく「なんでそうなるの?」という失敗を繰り返すんですよ~。
スナック菓子を食べようと袋を勢いよく開けたら中身が飛び出して、お菓子のくずを掃除していたらパソコンを壊して部品をなくして~と、失敗に次ぐ失敗でエンドレス!
その様子をのぞき穴から観て「なんだこりゃ」状態に陥る粕谷。娘も参戦して「おもしろ~い」と大騒ぎ。これがきっかけで動画配信しちゃおう!となるわけですが、この親子もすっとぼけているので、なかなかうまくいかなくて、もう隣同士でてんやわんやですよ。
【目の覚めるような豪華キャストが次々と!】
でもって、舎人の周囲に集まってくる人々を演じるキャスト陣がまたスゴイんです。私が観た第1話では野性爆弾のくっきー!さんが冒頭から出演。
第3話では、高嶋政宏さんがすごいコスプレで登場してビックリです。舎人の母が夏木マリさん、友人役が宮澤エマさんで、ほか、西田敏行さん、松岡茉優さん、橋本マナミさん、小日向文世さん、大竹しのぶさん、新川優愛さん、小池栄子さんなど、凄いメンツが次々登場。
でもいちばん期待値が高いのは稲垣吾郎さん!「吾郎ちゃんと一緒にセリフを言い合う芝居は、ほぼ初めてに近かったので新鮮でした」(香取)「いつも一緒にいて歌ったり踊ったりしているときとの彼とは違うので、面白かったし、うれしかったです」(稲垣)とお二人。これは観たいでしょう!
【『誰かが、見ている』というタイトルの意味】
この番組の中心は主人公の舎人。その行動を壁の穴から観ているのが粕谷一家、彼らが配信する動画を見て舎人ファンになるゲストたち、そんな登場人物たちのワチャワチャを見ているのが視聴者というように、このシットコムは「見る」という行為が人から人へと繋がっていくんですね。
だから『誰かが、見ている』というタイトルなのかなあと思いました。加えて、撮影はライブで行われ、キャストはお客さんの前でワンカット撮影で芝居をしたそうです。あのクスクス、キャハハという笑い声は現場のお客さんの声だったとは! 生で観た人がうらやまし~!
個人的には『誰かが、見ている』を観て、イギリスのコメディドラマ「ミスター・ビーン」を思い出しました。シットコムではありませんが、すべての笑いがビーンの行動から生まれ、周囲を巻き込んで大騒動へと発展してしまうんです。そんなビーンと舎人が重なりましたね。
舎人の珍行動がなんだかヤミツキになる『誰かが、見ている』。1話30分なのでサクっと観られるのでオススメですよ!
Amazon Originalドラマシリーズ「誰かが、見ている」
2020年9月18日(金) Amazon Prime Videoにて独占配信
脚本/演出:三谷幸喜
出演: 香取慎吾、佐藤二朗、山本千尋、長野里美、宮澤エマ、夏木マリ
ゲスト出演:くっきー!(野性爆弾)、西田敏行、高嶋政宏、寺島進、稲垣吾郎、山谷花純、近藤芳正、松岡茉優、橋本マナミ、八嶋智人、さとうほなみ、小日向文世、大竹しのぶ、新川優愛、小池栄子(登場順)
※高嶋政宏さんの高は正式には(はしご髙)になります。
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▼予告編
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