【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのは木村拓哉さんの娘・Kōki,さんの主演映画『牛首村』(2022年2月18日公開)です。東映の恐怖の村シリーズの第3作目。『犬鳴村』『樹海村』に続く作品です。

本作で女優デビューをしたKōki,さんの演技はいかがなものか!? と思い、試写で鑑賞。まずは物語から。

【物語】

奏音(Kōki,さん)は、ある心霊動画に自分ソックリの女子高生が映っているのを見て驚きます。牛首マスクを被らされた女子高生は、廃墟のエレベーターに閉じ込められたあと、その映像は途切れました。その少女のことが忘れられない奏音は、動画の撮影地・坪野鉱泉に向かうのですが、彼女はここで、自分に双子の妹、詩音(Kōki,さん / 2役)がいることを知るのです。

【Kōki,女優デビュー!】

まずは、この映画におけるKōki,さんについて……良かったですね! 木村拓哉さんと工藤静香さんというスターが両親ですから、本人は相当プレッシャーがあったと思うんですよ。どうしても比べられるし、評価も厳しくなりがちですからね。個人的には本作を観て、Kōki,さんは女優向きだと確信しました。

両親から受け継いだ美貌は、スクリーンを華やかに彩っていましたし、お芝居もセンスの良さを随所に感じさせました。ホラーは恐怖描写が多く、表情のアップダウンが激しいのですが、微妙な変化もこなしていましたし、何より、双子の妹も演じるという1人2役の難関も突破。ちゃんと演じ分けている姿に驚きました!

富山県の坪野鉱泉でのロケは過酷だったと思いますが、デビュー作で大変な経験ができたというのは、その後の女優活動の力になるはずです。

【怖さと切なさのバランスがいい】

映画『牛首村』は、冒頭の心霊映像のシーンから、どんどん怖さが増していきます。正直、坪野鉱泉に奏音が友人たちと到着したときは「きっとここで恐ろしいことが…」と、身構えてしまいます。

そして、恐怖の予感通りに奇妙な出来事が連発するのですが、奏音の双子の姉妹・詩音の真実や彼女を取り巻く人物の身に起こったことが明らかになると「かわいそう」と、胸をギュっと締め付けられてしまいました。

ネタバレになるのでこれ以上は書けませんが、「怖い、気持ち悪い」だけでない感情が沸いてくるホラー映画なのです。

【恐怖の村シリーズを手掛けている清水崇監督!】

東映の恐怖の村シリーズは、『犬鳴村』(2020年 / 主演・三吉彩花)、そして『樹海村』(2021年 / 主演・山田杏奈)と大ヒットを飛ばしている人気シリーズ。本作も演出はこのシリーズをずっと手掛けている清水崇監督。恐怖映画のエキスパートなので、絶対に面白く仕上げてくるよね! という安心感があります。

ちなみに、このシリーズの舞台となるのは実在する場所で、その場所で噂になっている心霊&都市伝説などをテーマにしています。

本作の坪野鉱泉は、富山県魚津市の史跡(坪野城址跡)の裏にある温泉旅館の通称。この温泉宿は倒産し、経営者は行方不明で、たびたび怪奇現象が起こる! と言われる、有名な心霊スポットだそう。

ぜひドキドキしながら観てください。

執筆:斎藤 香(c)pouch

『牛首村』
(2022年2月18日より、丸の内TOEIほか全国ロードショー)
監督:清水崇
出演;Kōki, 萩原利久 高橋文哉
芋生悠 大谷凜香 莉子
松尾諭 堀内敬子 田中直樹 麿赤兒
©︎「牛首村」製作委員会