物語を読んでいると、いつしかその世界に入り込んでしまうこともしばしば。そうした体験をリアルに感じられる没入型展覧会「大正ロマン×百段階段 ~文豪が誘うノスタルジックの世界~」が開催されることになりました。

会場となるのは、ホテル雅叙園東京にある東京都指定有形文化財「百段階段」です。

文豪たちが生きた時代を思わせるレトロ建築の中に、小説に出てきたあの空間がよみがえる……!

【文学少女のテンション上がるやつ】

「百段階段」は、昭和10年に旧目黒雅叙園の3号館として建てられた、ホテル内に現存する唯一の木造建築です。

99段にもおよぶ長い階段廊下が続くこの場所に、近代文学の中でも明治から昭和初期に発表された物語6作品を再現した空間が登場します。

作品のラインナップは、萩原朔太郎『猫町』、中島敦『山月記』、太宰治『葉桜と魔笛』、小川未明『月夜とめがね』、泉鏡花『外科室』、谷崎潤一郎『秘密』。

本のページをめくるように、物語の世界に入り込めるだなんて……かつて近代文学を読み漁っていたものとしてはたまらない体験です!

【音楽へのこだわりもすごいんです】

当時にタイムスリップしたかのようなレトロ建築は、作品世界を再現するのに打ってつけ。

『葉桜と魔笛』の部屋に入ったら、その瞬間に口笛が聞こえてくるのかな。『秘密』の部屋に入ったら、お香が香ったりするのかしら。純愛と甘美な世界が同居した『外科室』の部屋には、麻酔やメス、手術台があったりして……?

そんなことを考えながら、1部屋ずつ探索するのを想像するだけで、胸がワクワクしちゃいます。

なお、会場で流れる音楽は、全て本企画展のために音楽家・ヨダタケシさんによって作られたオリジナル楽曲! 情緒とストーリー性に満ちた音楽にも耳を傾けて。

【作品をイメージしたアートも楽しめる!】

「大正ロマン×百段階段 ~文豪が誘うノスタルジックの世界~」は2023年3月25日から6月11日まで開催されます。

現代の人気イラストレーターが独自の感性で文学作品表現する立東舎「乙女の本棚」とのコラボ企画でもあり、会場には6名の作家によるイラストも展示。アートを通して不朽の名作の魅力を堪能できますよ〜。

3月24日まで販売される特別前売り券は1000円で、当日券は1200円から。桜をモチーフにしたしおりやガラスペン、ギャラリートーク付チケットなどが付いてくるチケットも販売中です。

春のお出かけはここで決まり♪ 着物で足を運べば、さらに気分が盛り上がるかもしれません。

参照元:プレスリリースホテル雅叙園東京
執筆:田端あんじ (c)Pouch