思春期の1人娘と暮らすシングルマザー、キル・ボクスン。彼女には “凄腕の殺し屋”というもうひとつの顔があったーーー。

今年2023年で50歳を迎えたカンヌ俳優チョン・ドヨンさんが、たったひとりでターゲットを斬りまくる……! そのスタイリッシュなアクションに圧倒されること必至です。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix韓国映画『キル・ボクスン』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

暗殺請負業社・MKエンターテインメントに雇われている凄腕の殺し屋、キル・ボクスン。

完璧な仕事ぶりから、同業者からも一目置かれる存在ですが、実生活では子育てに四苦八苦! 思春期を迎えた娘・ジュヨンの気持ちが皆目見当もつきません。

娘との関係を修復するため、殺し屋稼業から足を洗おうとしますが、その矢先に「ある任務」を任されることになります。そして、その任務のせいでボクスンはMKエンターテインメントと殺し屋業界全体から命を狙われることになるのです……。

【ココが見どころ!】

<その1:スタイリッシュなアクションにしびれる>

この作品の最大の見どころは、ボクスンが魅せる華麗なるアクション! ときには銃を使うこともあるけれど、基本的にはナイフや包丁や手斧(!)などを用いて、斬って、斬って、斬りまくります。

キレッキレの動きで容赦なくいたぶり、身をかわして、とどめを刺す。武器がなくなったら、砕けた椅子の破片でさえ空中でキャッチで凶器に変えるーーー。

そうした一連の流れを「1カット長回し」で魅せる、ボクスン vs 殺し屋集団による乱闘は圧巻です。

本作ではたくさんの血が流れますが、残酷でありながらも芸術的(※苦手な方はご注意を)。絵画のような美しさを秘めた戦闘シーンをたっぷりと堪能してください!

<その2:母と娘の物語>

殺しは百戦錬磨、だけど思春期の娘が何を考えているのかわからない。母親業と比べたら、殺し屋稼業のほうがずっとラクだと感じているボクスン。

しかし、その娘は娘で人には言えない悩みを抱え、母親がどんな仕事をしているのかもうっすら気づき始めているようです。

お互いに「何かを隠してる」とわかっていても、敢えて聞かない。何があったとしても、味方でいることには変わらないから……。そんな母娘の心の距離感が実にリアル!

<その3:意外なキャストが意外な役で出演>

主演のチョン・ドヨンさんはじめ、『ペパーミントキャンディー』『殺人者の記憶法』のソル・ギョングさん、『D.P. -脱走兵追跡官-』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のク・ギョファンさんなど、豪華キャストが名を連ねている本作。

ちょい役として出てくる人も軒並み豪華で、韓ドラ好きなら「あっ、この人見たことある!」と何度も思うことでしょう。

特に目を見張るのは映画冒頭の戦闘シーンです。

Pouchでもご紹介したNetflixドラマ『ナルコの神』に出演しているあの超大物俳優が登場しますよ〜! 私的には、あまりにも豪華すぎるカメオ出演で、逆にちょっと笑ってしまいました(笑)。

【社会人の悲哀やエモい心のやりとりも】

「殺し屋=身近な存在」ではないのに、不思議と親しみを感じてしまう……。

というのも、「殺し屋のシングルマザー」という肩書を持つ主人公を通して、社会人の悲哀も描いている本作。殺し屋たちは「雇われの身」。つまり会社員なので、折り合いを付けなければいけないときもあります。

ちなみに……個人的には、暗殺請負業社・MKエンターテインメントの会長とボクスンの関係性がエモすぎて見悶えてしまいました。

ふたりのやりとり、交わす言葉のひとつひとつ……ぜひ注目してほしいです!

■今回紹介した作品

Netflix映画『キル・ボクスン』(原題:길복순)
2023年3月31日から独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:No Ju-han/©2023 Netflix, Inc.