ヤフーが提供する「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」に、衝撃の報告が掲載されていました。それは、新社会人がこの時期によく検索しているキーワードから浮かび上がる「悩み」について。

入社から2ヶ月が過ぎたこの時期に並ぶ言葉は「飲み会 断り方」 「新入社員 やめたい」「涙が止まらない」など、仕事に慣れるどころか、追い詰められているかのような言葉が多く見られたのです。

それは新社会人だけではなく、上司・先輩にあたる社会人にとっても、見過ごせない現実でした。

【5月は「仕事に行きたくない」】

「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」が提供する表は、横が時間軸、縦が検索量を示しています。「初任給 プレゼント」のキーワードを検索した人々を「新社会人」として、それ以降の検索キーワードを可視化したものです。

5月下旬から増えていくキーワードが「新入社員 辛い」「仕事 ミス」「仕事 行きたくない」「飲み会 断り方」などのネガティブワード。慣れない仕事で悪戦苦闘している新社会人の姿が浮き彫りになっていました。

中には「定期券 払い戻し」というものもあり、もしかするとこの時期に本当に辞めてしまう人も、少なくないのかもしれません。

また、見逃せないのが「ストレス 吐き気」「涙が止まらない」「目の腫れを治す方法」など、実際に体調やメンタルに異変を来し、その解決法を探している人々がいること。

五月病、という言葉もあるくらい、この季節は心と体がバランスを崩しやすい時期。誰にも相談できずに検索しているのかもしれないと思うと、胸が締め付けられます……。

【せっかくの大型連休だけど…】

そして、個人的に気になった検索ワードが「休日の過ごし方」。高校や大学を卒業して、実家を離れたり、親しかった友人と離れ離れになったり。新しい環境の中、ひとりで持て余してしまう土日。

せっかくの休みなのに「どうやって過ごせば良いのかわからない」から検索しているのだとしたら、それもまた、苦しい悩みなのかもしれないと思いました。

【6月は「会社を辞めたい」】

社会人として生活していくことへの悩みが多かった5月に対して、6月の結果は実にストレートでした。

半ばまでは「ボーナス」あるいは「恋愛」「休日」に関する検索ワードが並ぶのですが……6月25日を境に一気に検索トップに躍り出るキーワードが「仕事辞めたい」

5月から1ヶ月、なんとか頑張ってきたけどもう辞めたい、なのか。最初のボーナスをもらったからここで辞めたい、なのか。ボーナスの金額がおもったよりも少なかったから辞めたい、なのか。

理由はわかりませんが、このタイミングで「仕事辞めたい」と思って検索する人が急激に増えていることには間違いありません。

【みんな同じように検索してる】

きっと、新社会人の人たちにとっては、5月から6月が最初の山場なのだと思います。本当にヤバい会社なのか、自分がしたい仕事はなんなのか、もうちょっと頑張ってみるのか。

そういう見極めポイントに、みんなが差し掛かっていて、みんなが同じように検索している。程度の差はあれ、みんな悩む時期なんだと思います。

【きっかけひとつで何かが変わるかも】

Pouch編集部の百村は、新卒で入った会社で飲み会が大嫌いながらもイヤイヤ参加していたのだそう。セクハラはひどいし、でも参加しないと仕事もらえないし……と。ところがある日、その職場ですっごく仕事できる先輩に出会ったのだそう。

その先輩は基本飲み会には参加せず、後輩との交流はもっぱらランチ。仕事がデキるだけでなく、美味しいお店に連れ出してごちそうしてくれる先輩に憧れ、こんな人になりたい! と思った百村。自分に後輩ができたときにも、その先輩の真似をしていたんですって。

こんなふうに尊敬できる先輩や、気心のしれた同僚に出会うなどのきっかけで、イヤイヤだった仕事が楽しいもの、やりがいのあるものに変わることも、本当にあると思います。

【5月、6月は新入社員が悩む時期だと心得よう】

新社会人の皆さんは、今はそういう時期なんだと開き直って、あまり思い詰めずに過ごしてください。あなただけ、ひとりだけではないですよ。

そして、上司や先輩の皆さんは、この時期に部下や後輩が悩んでいないか、気にかけたり、さりげなく声をかけてあげてみましょう。「何も言わないから大丈夫」なのではなく、辛すぎて何も言えないだけかもしれません。

季節はこれから梅雨。お天気にも気持ちは左右されますが、どうか少しでも多くの新社会人の皆さんが、晴れ晴れとした気持ちで毎日を過ごされますように。

参照元:Yahoo! JAPANビッグデータレポート
執筆=森本マリ (c)Pouch