p

低料金で映画を2本観賞することができる名画座をこよなく愛している記者(私)です、こんにちは。

本日みなさまにご紹介するのは、東京・池袋にある名画座「新文芸坐」にて毎週土曜の夜に行われている、オールナイト上映。

「東映アクションムービー」(10月10日)「世界の映画作家」(10月17日)など、毎回趣向を凝らしたラインナップを展開している同イベントにおいて、記者が最も注目しているプログラムが『一瞬と永遠 少女たちが見た風景』です。

【魅惑的な4作品が上映されます】

10月24日(土)22時半より開催されるこの日の上映メニューは、以下の4作品。

「ひなぎく」(1966・チェコ /75分 /BD) 監督:ヴェラ・ヒティロヴァ
「アリス」(1988・スイス /85分 /35mm) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
「エコール」(2004・仏=ベルギー /121分 /35mm) 監督:ルシール・アザリロヴィック
「パンズ・ラビリンス」(2006・メキシコ、他 /121分 /35mm) 監督:ギレルモ・デル・トロ

これらを朝の5時50分までぶっ続けで観ることができるだなんて……ああ、なんという贅沢! 

【「少女」がテーマのダークな一夜】

以前当サイトでご紹介した「ひなぎく」に、言うなれば “ダークで陰気な「不思議の国のアリス」” 、ヤン・シュヴァンクマイエル監督初の長編映画「アリス」。

さらには、森の奥深くにある謎めいた学校で暮らす、6歳から12歳までの無垢な少女たちの美しさ、エロティシズムを、女性監督ならではの繊細な映像表現で描き出したミステリアスな作品、「エコール」。

どれもこれも名作ぞろいなのですが、最後を飾るのが「パンズ・ラビリンス」であるということに、個人的にはグッときてしまったのよね……!

【「パンズ・ラビリンス」の絶望感がスゴい】

というのもこの作品、グロテスクな描写が数多くあるダーク・ファンタジー。しかも全く救いがないという、ダブルコンポ。

母が再婚し、高圧的な恐ろしい義理の父との新しい生活に苦しむ少女・オフェリア。おとぎ話が大好きな彼女は、幸せを求めて、ますます物語の世界に入り込んでいきます。

そんなある日、 “迷宮の番人” パンに出会い「あなたは地底の王国の姫君だ」と告げられて以後、3つの使命に挑むのですが……。

もうね、ラストシーンでね、言葉を失ってしまうのですよ。そして観た後、どっぷり落ち込むの

【ラストシーンを観た後、立ち上がることができませんでした……】

夢のように美しい画面とオカルティックな世界観、むごすぎる暴力的描写、そしてシビアで薄幸すぎるストーリー展開。記者はこういった対比を一挙に体感できる作品がたまらなく好き。

しかし、幸せなラストを期待して観賞したら最後、突き落とされた感がハンパないので、どうか覚悟しておいて。

この一夜を体験したら、しばらくの間、現実世界に戻ることができないかも? そんな予感を感じさせる「一瞬と永遠 少女たちが見た風景」、18歳未満の方は入場できませんので、この点なにとぞご注意を。

また当日はレディースシートの用意もあるそうなので、興味を持たれた方はおひとりでも、足を運んでみてはいかがでしょうか。

参照元:新文芸坐 YouTube(1+1=3Movie)
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼「パンズ・ラビリンス」、観ておいて損はない超名作です!