9月に入ると、なんだか少しだけ空気が秋めいてきた気がします。秋といえば、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋!
さて先日、知人から歌舞伎のチケットを1枚だけ安く譲ってもらえることに。たった1枚……ということで、人生初の歌舞伎デビューをしてきました! んが、想像の100倍すごい世界だったヨ。
毎月1のつく日(1日、11日、21日だけ)は「ステキなぼっちの日」です。Pouchでは担当ライターが体を張ってぼっちの限界に挑み、ぼっちの可能性を広げるべく、世の中のさまざまな場所でぼっちでも楽しく過ごせるかどうかを誠心誠意、検証しています!
ということで、今回は「ぼっち歌舞伎」です。
歌舞伎役者の香川照之(市川中車)さんや、中村勘九郎さんをテレビや映画で(俳優として)見るけど、歌舞伎の舞台そのものは見たことがありません。正直、歌舞伎が未知すぎてコワイヨ、心細イヨ。
【ドレスコードあり? おしゃれなマダムいっぱいで焦る】
チケットを握りしめ、さっそく会場の国立劇場に向かっていると……ふぉおおお!! 着物マダムがあちこちにいるではありませんか! まさか、和装ドレスコードがあるの?
「あ、洋服の人もいるわ(ホッ)」と思った矢先、よくみるとゴージャスなアクセサリーを身につけている。私みたいな一般人が入って大丈夫なのかな……と不安な気持ちでいっぱいに。デニムとTシャツでこなくてヨカッタと自分を励まし、おそるおそる会場に入りました。
【公演中のお助けアイテムをゲットせよ!】
今回見に行ったのは「第24回稚魚の会・歌舞伎会合同公演」という若手発表会的なもの。演目は全部で3つあり、公演時間は4時間半(休憩あり)です。まさか歌舞伎、こんなに長いとは。
長時間楽しめるか不安になってきたので、600円のイヤホンガイドをレンタルすることに。するとこれが大正解。舞台の様子や役者のセリフなどを丁寧に説明してくれるので、初心者でも歌舞伎の内容やルールが理解できました。
【これが歌舞伎役者の匂いか…スーハー!】
劇場内に入ると初めて見る “花道のある舞台” や “歌舞伎の三色の幕” に大興奮。まだ歌舞伎は始まっていないけど、初心者の私、これだけで「歌舞伎キター♪」とアガります。
そして幕が上がると広がる、歌舞伎の世界。役者の目力、息使い、風をきる躍動感、布の擦れる音、マイク無しで響き渡る声、アクロバティックなアクション、和楽器の生演奏と歌、そして歌舞伎ならではの伝統所作、舞台美術や衣装など。
テレビやスマホではなく、自分の目で直接みたことで、歌舞伎の文化が体に染みていくようです。あまりにもすごい迫力に、「何百年も続く歌舞伎の匂いまで感じとれそう!」と、役者さんが動くたびに鼻をクンクンする変態行動を取ってしまうほどでした。
【恋する乙女演技にキュン♡→50代の男性だと?】
観劇中、ある役者さんに目が釘付けになりました。演じているのは恋に夢中の若い娘役。
彼女(彼?)の恋した瞬間、浮かれた瞬間、失恋した瞬間の演技は、どこをどう見ても女子高生時代にみた同級生そのもの。舞台が終わった後、どんな役者さんなのか調べてみると、演じていたのは50代の男性でびっくり。中村芝のぶさんという方でした。
一体どうやって演じたの!? 魔法じゃないの!? それともこれが400年以上続く歌舞伎のスゴさなの……!? この世ではない不思議な世界に連れて行かれて、下界に戻された気分で帰宅ラッシュの電車に揺られました。
【まとめ:まだまだ謎が多い歌舞伎だけど…】
人生初の歌舞伎は、1分1秒夢中になってみることができました。ただ、ひとつだけ気になったことが……!
それは客席から度々聞こえる「成田屋!」などの掛け声です。独特の掛け声とタイミングがあり、素人にはとてもできる気がしません。プロの仕業なのか、それとも歌舞伎を日々見続けていると突然できるようになるのか、そもそも誰でもやっていいのか。ともかく掛け声しているひとも魅力的な存在でした。
まだまだ知らないことが多い歌舞伎の世界、ゆえに行ってよかった歌舞伎の舞台。これを読んだあなたも、ぜひ一度どうぞ。そして初めて行くなら、イヤホンガイドをオススメします。
・ひとり歌舞伎観劇
孤独度:★
快適度:★★★★★
オススメ度:★★★★★★
撮影・執筆=百村モモ (c)Pouch
▼荷物を預けるロッカーが10円! ありがたや〜
▼休憩時間に利用できる飲食もありました
▼ロビーにはお土産屋や、ドリンク販売がしており、練習風景の動画も公開されていました
▼とにかく賑わってた!そしてみんな役者さんに負けないほどの晴れ姿でした。私も見習いたい
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