アメリカン・ヒーローを一堂に集めた人気映画『アベンジャーズ』。その宣伝コピー「日本人よ、これが映画だ。」に対して作家の矢作俊彦氏が噛みついたのは記憶に新しいところです。
ハードボイルド小説のみならず、無駄な開発事業を批判するなど日本を憂うルポでも知られる矢作氏。CGを多用する派手な娯楽映画である『アベンジャーズ』が「これぞ本物の映画」と名乗っている、しかも「日本人に教えてやろう」という上から目線であるということに相当カチンと来たようで、ツイッターで「これほど不快な惹句を他に知らない。日本のスタッフが書いたなら、そいつを探し出して二重橋前で吊るしたい」などと辛辣な批判を浴びせました。
記者としては「なんて沸点の低い」と少し思う一方で、人によって趣向がひどく違う「映画」というものについて良し悪しを語るのは宗教論なみに難しいのでは、という感想を抱いたものです。特定のジャンルが好きな人は、それ以外のジャンルが理解できなかったりするもの。女子のなかには「バトルが見どころ」という映画に興味がない人も相当数いるわけで、その意味ではくだんのコピーからは「お前の観てるソレは映画じゃねえから」という「地獄のミサワ」調のニュアンスを感じてちょっと……というと裏読みのしすぎなのでしょうか?
さて矢作氏の怒りのツイートはこのあと、同映画の主人公をやり玉に挙げます。曰く、「7、80年前、君たちのおじいさんやひいおじいさんを無残に殺して勝ち誇ってた野郎だぞ」。それはいったい、どういうことなのでしょう?
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